赤井 写真集を出す時に、「芸能界でお仕事をすることになりました」と人づてに連絡して報告していたんです。そのあと、14年ぶりくらいにホテルで会いました。
――赤井さんが2、3歳の時にご両親が離婚されたそうですが、それ以来の再会だったのでしょうか。
赤井 いや、私が幼稚園の時に父がこっそり運動会を見に来ていて、その時に会っているらしいんですよね。でも、ほぼ記憶はないです。
だから私の知っている父はずっと「テレビの中にいる人」でした。子どもの頃はテレビを観ながら「私はこの人がお父さんって知ってるけど、お父さんは私のことを知ってるのかな」とか、父がテレビで家族の話をしている時も「これは私の話ではないんだよな」とか……複雑な思いを抱えていましたね。当時はさみしくて、家族に見つからないように布団の中で泣いていたこともあったし……。
母は厳しかったけれど、たくさん愛情を注いでくれて、女手一つで何不自由なく育ててくれました。でもやっぱり心のどこかで、お父さんがほしかったんだと思います。
父・赤井英和との再会は「子どもの頃の自分が救われるよう」
――その「テレビの中のお父さん」と実際に対面してみて、いかがでしたか。
赤井 会う前は「私のことがわかるかな。会った時にどんな顔をするのかな」という不安と、父に早く会いたいという気持ちがごちゃ混ぜになっていたんですよ。芸能界の大先輩だから、ちゃんと挨拶しないといけないという気持ちもあったし。
でもホテルで会った時に「今までの溝をこれから埋めていこうな」みたいに言われて。「ああ、こんなにも私が欲しかった言葉を言ってくれる人なんだ」と思って、うわーって泣いちゃいました。さみしい思いをしていた子どもの頃の自分が救われるような気もして。
――テレビの中のお父さまとはイメージが違いましたか?