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「太ももがコンプレックス。でも鍛えたら『太い』が褒め言葉になった」元筋肉アイドル・才木玲佳(29)が語る、筋トレでひっくり返った“価値観”

「筋肉卒業」インタビュー #1

2022/04/03

 ノースリーブの衣装にツインテールがトレードマーク。かわいらしい笑顔と鍛え上げられた二の腕のギャップで「筋肉アイドル」の名をほしいままにした才木玲佳。慶應大学出身の才色兼備アイドルは、プロレスやボディビルの世界でも活躍、そして今、惜しまれながら「筋肉」との別れを決意。2022年3月をもって、筋肉アイドルを卒業する。 

 才木と筋肉との出会い、筋肉で有名になっていくことへの喜びと不安、「アイドルに筋肉はいらない」というファンの声……コンプレックスとの葛藤の日々を振り返る。才木玲佳と筋肉に何が起こったか。 (全2回の1回/2回目を読む)

才木玲佳さん

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番組では2トンのバスを引っ張り…「筋肉」卒業の裏側

――いつぐらいから筋肉アイドル卒業を考えていたのでしょうか。 

才木 結構前からですね。2年前くらいからでしょうか。正直筋肉が嫌になった時期もあって。でも筋肉でここまでやってきたし、みんなが求めてくれてるのも筋肉だし、頑張らなきゃいけないと思っていたんですよ。 

――筋肉が嫌になった。 

才木 最初はただ好きで鍛えてきた筋肉がどんどん仕事になってしまって、ちょっと自分の心とズレが生じるようになったというか。明確に卒業しようってはっきり決めたのは、去年の秋ぐらいですね。 

 ただ、筋肉が嫌になったという理由もあれば、筋肉をやめることでもっと新しいことに挑戦したいという気持ちもあるんです。事務所の新しい社長が映画関係のお仕事もやってる方なので、役者のお仕事にも挑戦してみたいなと思って。色んな役を演じるためにも、いったん筋肉のイメージをリセットできたらいいなと。

 

――とはいえ、筋肉は才木さんにとって大きな武器でもあったわけですよね。 

才木 そうなんですよ。 

――その武器を手放すのは怖くなかったですか。 

才木 こわいですね(笑)。ほんとそうなんですよ。もう筋肉やめます、役者やりたいですといって、全然仕事が来なかったらどうしようとか。今までやってきたお仕事はほんと筋肉あってのオファーが多かったですから。それこそ2トンぐらいあるバスを引っ張ったりとか(笑)。 

2020年11月に行われた「ゴールドジム ジャパンカップ」では準優勝に輝いた(WALK.提供)

 ずっと筋肉やめられなかったのも、その怖さがあったというのもありますね。 

筋トレの入り口は「ダイエット」

――筋肉に目覚めたのには何かきっかけがあったんですか? 

才木 最初はダイエット。ラウンドガールの仕事をさせてもらった時に、ちょっとお腹が出る衣装だったので、腹筋割れてたらかっこいいかなと。そうしたら、ちょっと思わぬ方向にいきはじめて(笑)。 

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