赤井 男子の中に1人だけ女子がいるから、「工業高校の姫」みたいな感じで“ちやほや”されているイメージがあるのかもしれませんね。確かに最初は気を遣われていましたけど、いまは誰も気を遣ってくれなくなりましたよ(笑)。
それに私はあくまで、DDTという団体の1つの歯車になりたいと思っているので。だから男子とか女子とか関係なく、ほかの選手と同じ扱いにしてほしいと思っているし、実際にそういう扱いにしてもらっています。
もし「女子プロレスラーみたい」と言われたら……
――体型に関しては身長174センチ、体重53キロと公表されていますが、あえて細身にしているというのを別の記事で拝見しました。そこにはどのようなお考えがあるのでしょうか。
赤井 私がここから30キロを増やしたら、身長が高くて、体が大きくて……皆さんのイメージ通りの女子プロレスラーになってしまう。キャラクター性がなくなってしまうんですよね。
それに私がデビューした頃は、「女子プロレスラーみたい」というのがよくない表現で使われることが多かったんですよ。例えば、「この前の飲み会に来た女の子が女子プロレスラーみたいで」と話されたら、「えっ、どんなかわいい子なんだろう」とは思わないじゃないですか。きっと「どんな大きい子が来たんだろう」みたいなイメージを持ちますよね。
私は「女子プロレスラー」のそういうイメージを変えたいなと思っていて。もちろん「大きくて強い」選手はパワーもあるし、今までもこれからもプロレス界を支えていく方々だと思いますけど、私みたいな細身の選手がいてもいいんじゃないかなとは考えています。もっとプロレス界にも多様性が求められていいんじゃないかと。
そして女子プロレスラーのイメージを変えることで、子どもたちに「沙希ちゃんみたいなプロレスラーになりたい」と言ってもらえるようにもなりたいですね。プロレスラーが子どもたちの将来の夢になる職業にしたい。
――プロレスのイメージを変えるために、体型は変えないようにしていると。
赤井 もちろん、試合をする上で最低限の筋肉や自分を守る力は付けてますけどね。