看板を作る時にしていた“願掛け”
忍者麺は電子レンジで簡単に出来る。誕生は11年ほど前、札幌にある国岡製麺とシンセンで売り出したラーメンだ。初めは市販品ではなく、すすきのの繁華街で、バーやスナック、ホテルなど、手軽においしいラーメンを作りたいという場所に卸していた。それが繋がり、空港での試食販売へ、道外の物産展へ、更にはアジアへと広がり、11か国で60万食を売り上げた。コロナ前にはアメリカ・ニューヨークへも進出。それをきっかけに、動物性原料を控えるアニマルフリーの食品へ作り替えた。名前に忍者を付けたのもこの時からだそうだ。
味は、醤油・味噌・海鮮・博多の4種類。使う油はすべて植物性なのにスープは本格的。麺は北海道産の小麦を使う。生ラーメンで1か月常温で保存できるので持ち運びも心配ない。広告のおかげで売り上げはうなぎのぼり。通信販売で求めるのが一番簡単だ。
ほんの少しでも効果が出ればいい、と控えめに思っていた松田さんだけれど、実は、看板を作る時にある願掛けをしていた。札幌ドームに取り付けるものは特別にデザインの忍者の腕に赤のサポーターを付けさせたのだ。赤のサポーターはBIGBOSSの象徴と言ってもいい。少しでも本人や選手の目にとまってくれたらという願いだった。
果たしてBIGBOSSはそれに気づいているのか、何も気づかずにたまたまなのか、それはわからない。どうしてあの場所に常に座ることにしたのか、その理由もわからない。だけど、BIGBOSSは試合中はずっとそこにいて、カメラが表情をとらえる度に広告は必ず後ろに映り込む。これは事実。
もし札幌ドームがラストイヤーじゃなかったらこの場所は来季は大きく金額が変わっていたかもしれない。最後じゃなかったら松田さんは広告を出さなかったかもしれない。
監督がBIGBOSSじゃなければ、この位置の広告がこれほど注目されることもなかったかもしれない。幸運がどのタイミングで訪れるのかなんて誰も教えてくれない。
No try, No chance!
トライしないとチャンスは掴めない。
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