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 江藤は神を名乗りながらも、共犯で逮捕された愛人の元自衛官と2人だけの時間を過ごすために、近くに部屋を借りていた。

 当時、2人の姿をよく目にしていたという近所の女性が言う。

「相手の自衛官の人もね。格好いい人だったよ。いつも2人でスポーツカーに乗って、借りていた部屋に行っていたね。彼女は、自衛官の人が好きだったんじゃないのかね。そんだから他の信者の人が、ちょっとでも話したりすると嫉妬したっていうね。それがだんだん、エスカレートして、殺すまでいっちゃったのかな」

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 江藤は、信仰に傾倒する一方で、自身の欲望に対しても忠実だった。その規模は全く違うが、オウム真理教の教祖・麻原彰晃の姿とだぶってしまう。

©八木澤高明

江藤の“王国”が崩壊したきっかけ

 スポーツカーを買ったり、愛人とすごすための金も、信者たちから巻き上げたものだった。近所の女性が言うように、太鼓のバチで信者を殺害したのも、愛人の自衛官に色目を使った女性信者への嫉妬がきっかけだったという。純粋に江藤に救いを求めてきた信者たちの信仰心を利用して、彼女は欲にまみれていたのだった。

 そんな、宗教家とは言い難い彼女の行状に、疑問を持った信者のひとりが、家から逃げ出した。理由は、バチで叩かれて怪我を負ったことにあった。

 それがきっかけで、江藤の“王国”は、崩壊することになる。

写真=八木澤高明