神奈川県座間市のアパートの一室で、9人の女性を殺害・解体した殺人犯、白石隆浩死刑囚。そんな男の素顔に迫ったのが、獄中の白石被告と何度も面会したノンフィクションライターの小野一光氏だ。
ここでは同氏の著書『冷酷 座間9人殺害事件』(幻冬舎アウトロー文庫)から一部を抜粋。白石死刑囚が獄中で語った、猟奇的な殺害の手口とは——。(全2回の1回目/2回目に続く)
※本稿にはショッキングな表現が多出します。ご注意下さい。
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獄中で白石はにんまりと嬉しそうな笑みを浮かべる
「いやーっ、やっぱハシカン、可愛いですねえ。もう1冊もよろしくお願いしますね」
8月19日の8回目の面会。白石は前回差し入れた橋本環奈の写真集についての感想を口にした。
そこで私は、今日は面会前に深田恭子の最新写真集『Brand new me』(集英社)と画集『水墨画 馬を描く』(日貿出版社)を差し入れたことを伝える。
「おおっ、ありがとうございます。深キョン、楽しみですねえ」
白石はにんまりと、嬉しそうな笑みを浮かべた。そんな彼に問いかける。
「最近は、面会にいろいろ来てる?」
「そうですねえ、月曜に一般の知らない女の人が来たんですけど断って、あと今日は男性の記者が来てましたけど、小野さんの日だったんで……」
面会の話になったところで、ふと気になったことを尋ねることにした。
「そういえば、(取材相手から徴収している)おカネってけっこう貯まった?」
「うーん、おカネはしばらく生活に困らないくらいはありますねえ……」
やや引いた口ぶりから、具体的な金額まで尋ねることは控えた。すると今度は白石から切り出してくる。