懐かしのAIBO、ASIMO!
そこで周囲に目を向けてみると、懐かしのAIBO、懐かしのASIMO、ここ数年見かける機会の多かったPepperくんなど、よく“見知った”ロボットがズラリと並んでいる。
90年代から00年代にかけては、いわゆる“産業用ロボット”はすでに実用化が進んでいた中で、特に人型ロボットの開発が積極的に進んだ時代ということなのだろうか。確かに人型ロボットには夢があるけれど、かといって社会に必要なのかどうかというと微妙な気がする。戦って地球を守ってくれるわけでもないし……。
「“技術としてすごいロボット”も、“見た目が人そっくりのロボット”も、どちらも必要なんです。人型ロボットにしても、人のようにスムーズに動くよ、ということばかりが注目されがちなんですが、それが人の社会に受け入れられるような見た目をしているかどうかも大事になってくるんです」(宮田さん)
そしてこういったロボットの発展には、まさしくフィクションの世界であるところのSF作品も大いに関係しているのだとか。鉄腕アトムやドラえもんはフィクションの世界から生まれたスーパーロボット。そしてそういったフィクションからインスピレーションを得て開発されたロボットも少なくないのだ。壁面の“ロボットの歴史”を眺めていると、そういったロボットと人との関わりも学ぶことができる。
楽器になる義手、脳波を読み取って動く腕、“人型の重機”…「いま、そこにあるロボットとの生活」
次なる展示ゾーンのテーマは「からだって、なんだ?」。見たことのある懐かしのロボットたちと触れあったと思ったら、急に哲学的になってきた。展示されているロボットは、体に装着するロボットが目立つ。
「最近では脳波を読み取る技術も進歩しているので、脳波だけでデバイスを操作することもできるようになっています。
また、たとえば人間の体をロボットで再現することで、人間の体のよりよい動かし方を追求するプロジェクトも進んでいます。手を2本増やしたり、義手と楽器を融合させたり、人の体を拡張するイメージですね」(宮田さん)
義手と楽器を融合させた「ミュージアーム」は、見た目もそのままに楽器を取り付けた義手。日常的に義手を使っている人にとっては、義手はいわば自分の体の一部だ。それが楽器になるわけで、体の一部に楽器を組み込んだに等しい。