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普段の上下関係が性行為にもそのまま影響

――というと?

牧田 性行為に至る男女キャラの上下関係ですね。多くの場合、上司と部下、先生と生徒、といったキャラクターの上下関係がそのまま性行為の関係性にも反映されます。男性が上位の立場にあると性行為でも男性が主導権を握り、女性が上位の場合は女性が主導権を握る、ということです。

「エロマンガ統計2018」より「社会的関係性」

 ただ、90年代の作品と比べると、近年では男性が教師や先輩など、女性キャラクターより社会的立場が上の傾向が強くなっていますね。90年代までは男性優位の作品は25%程度でしたが近年は40%が男性優位です。近年は特に、先生と生徒や、メイドやご主人様といった名前のある関係が増えている印象があります。初対面で関係が始まるのは珍しくなっています。

 一方で、性行為に至る過程にはハードルがあったほうが燃えるので、結婚しているカップルが幸せにセックスしますというのはほとんどないですね。「ふたりエッチ」だけが偉大な例外です。

男性向けでは56%のキャラが黒髪なワケ

――男性向け作品は乱暴な印象があります。やはり男性が自分の立場を利用して無理やり行為を迫る内容が多いのでしょうか?

牧田 実は、いわゆる強姦を描いた作品は全体の2割しかないんです。作品中で性器への接触があった場合、そこに合意があったか否かで強姦か和姦かを判断しています。相手が激しく抵抗したり、催眠や泥酔などの意識が無い状態での行為は強姦として、それ以外は和姦としています。

「エロマンガ統計2018」より「和姦・強姦の割合」

 2018年に集計した時は一番多いストーリー要素はセフレなど快楽を目的とした関係が64%、次いで恋愛が39%でした。複合要素があるため、足して100%にならないんですけどね。基本的には皆さん、背徳感を感じずにエッチなことを楽しみたいんだと思います。

――女性キャラクターについてはどういった描かれ方が多いのでしょうか。

牧田 例えば、2016年に髪の色に注目して統計をとったのですが、男性向けエロマンガではどうも黒髪が好まれる傾向があるようです。少女漫画では約6割の女性キャラが茶髪を想起させるような白髪でしたが、男性向けエロマンガでは56%のキャラが黒髪でした。髪色は一種の記号として機能していて、黒髪=清楚・おとなしい、茶髪=ギャル・だらしない、という描かれ方が多いです。

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