――パンケーキをもらった日、として記憶してもらいたいものです。
オーカーン 幼子の父親がニュースに「娘は今も明るくしており、心のキズもなさそうです」とコメントしていてな。それを見た時はさすがに安心したわ。もし幼子がずっと重い気持ちのままでいたら、こっちも引き摺っちまう。とはいえ男を取り押さえるのもパンケーキをプレゼントするのも、余にとってはたいしたことではなかったがな。
――警察の方にはグレート-O-カーンと名乗られたのですか?
オーカーン 最初は「名乗るほどの者じゃない」と言ったんだがな。人生で一度は言ってみたい言葉をようやく使う機会に恵まれたわ(笑)。実際、名乗るほどのことをしたとも思ってないのじゃ。それに余はプロレスラーだから、リングの外で起きたことで名前が広まっても違うと思ったのは事実だ。だが、事情聴取を担当してくれた警察官がどうしてもと言うのでな。
「むしろ余が本当に頑張ったのはそこからだな」
――夜遅い事件でしたが、警察の事情聴取も当日にあったのですか。
オーカーン むしろ余が本当に頑張ったのはそこからだな。警察の事情聴取に最初から最後まで、めちゃくちゃ協力したのだ。事件は夜の9時頃だったが、事情聴取はそこから5時間近く続いたのだ。間違いがあっては困るから丁寧に聞くということで、警察官も眠い顔ひとつ見せずに働いていたからな。余もとことん付き合ってやろうと思ったのだ。
――夜の9時から5時間だと、深夜2時まで……。途中で疲れてしまいそうです。
オーカーン 余は「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」というアニメで警察官の仕事がいかに大変かを知っていたからな。もし職質されたら警察には必ず協力しようと決めていた。その機会がこんな風にやってくるとはな。
――これまで職質されたことはなかったんですね。
オーカーン 「こんな怪しい面なのに」とでも言いたげだな、愚民が。余の優しさは、目を見ればわかる人にはわかるのだ。余は何か事件の容疑者や加害者をむやみにバッシングするのは嫌いだが、今回は余こそが当事者だったわけだから、できるだけ正確に事実のみを話す責任があると思ったのだ。忙しい余がやってるんだから、他の奴らも調子こかずに警察に協力しろよ!