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――警察からは感謝状が贈られて、同業者であるレスラーたちもオーカーンさんを絶賛していましたね。

オーカーン そういえばこの前、大張高己(新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長)という奴が「駅のホームで落ちた女の子を助けた」というツイートをしておってな、余は「偉い! 褒めて遣わす」と返信したんだが、その後に個人的に連絡が来た。「オーカーン様 あのような行動ができたのはオーカーン様の件を知って、私もそういう人間にならないといけないと本当に思ったからです」と。ま、新日本プロレスの支配者として背中を見せられてよかったな。人の心まで変えてしまうなんて、これが余の支配力というものよ。

「正直あれは気持ち良かったな……」

――事件以降、リング上に変化はありましたか?

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オーカーン 余はこれまでいろんなバッシングを受けてきた。喋り方やコスチュームや、果てはアニメが好きなことさえ"イロモノ"と言われてきた。脳筋が多いレスラーの中でSNSを使いこなしておったのも反感を買ったようだ。いつかリングの上で跪かせてやろうと思っていたが、今回のことで手のひらを返して褒めてくる奴は多いな。リング外のことがきっかけだったのは少し残念だがな。

 

――それでも、事件後の入場時は拍手が凄まじかったです。

オーカーン まあ、正直あれは気持ち良かったな……。数千人の人間が割れんばかりの拍手で迎えてくれるのはやはりいい気分だ。

――手には警察から授与された感謝状も持っていました。

オーカーン 事件の後に余のことをイケメンだ、本当はいい奴だ、と訳のわからん奴らが大勢いたからな。あれは「正義の名のもとに貴様らを処刑する」という宣言だ。余はもともとイケメンだし、以前から余の真価に気づいていた愛すべき帝国民たちも大勢いる。今回のことで余を見る目が変わったとすれば、そいつの見る目がなかったというわけだ。

 

――そして4月9日には新日本プロレスのタッグ王座最高峰、IWGPタッグのベルトを手にしています。

オーカーン だせえベルトだが、リングの中でひとつ形にできたことは悪いことじゃねえだろう。それに新日本プロレスを支配するという余の使命はまだ終わってない。今の歓声をさらに大きくして見せるから、任せておくといい。

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