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女性用風俗の43歳人気男性セラピストが考える“夫婦生活”で最も大事なこと「確かに技術は必要。だけど最後はやっぱり…」

『ルポ 女性用風俗』より #2

2022/05/14
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女性たちがけんさんに与えた称号とは?

「女風って、色々なニーズがあると思うんですが、自分は完全にテクニックを売りにしています。女風の世界はイケメンやかっこいい男は沢山いる。でもぶっちゃけて言うと、本当にテクがある人って少ないと思うんですよ。他のセラピでイケなかったという女性もいらっしゃいます。そういう人が僕のところに来てくれて、イケましたと言ってくれたりする。

 僕はイケメンでもないし、背も低いんですよ。160センチしかない。しかもあっちの方は最近だとすっかりED気味でたたないから射精も難しい。43歳だから若くもない。

 でもクンニだけは、絶対に誰にも負けないという自信があるんですよ。女性を喜ばせる一流の技と武器を持っていると自負しています。お客さんは、そんな僕のテクを求めてきてくださる方がほとんどですね」

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 実際、けんさんの技を体験したお客さんの評判は上々だ。リピーターも多い。そしてその証拠に、けんさんは女性客に様々な名誉ある称号を与えられている。

「神クンニ、ペロリスト、舐め舐め星人、絶叫クンニ、舌ではない舌、舌ルンバ、舌のCTスキャン、女体診断士、唾液妖怪、舌技オリンピック日本代表」

 歴代のお客さんたちが、けんさんにおくった愛称だ! そのネーミングセンスに思わず吹き出しそうになる。女性を性的に喜ばせることを自信満々で話す男性は多い。しかし実際女性の本音を聞くと、その多くが男たちのお粗末な驕りや勘違いに基づくものだと感じる。しかしどうやらけんさんの自信の源は、一般の男性とそれとは一線を画すようだ。

「ちょっと見てみますか?」

 そう言って、けんさんは画面越しに舌を突き出してくれた。舌が見事なコの字形にとがっている。見事な三枚舌だ。この三枚舌でクリトリスを包むようにして刺激するそうだが、けんさんの武器はそれだけではないという。

「この三枚舌自体あまりできる人はいないと思いますが、それでクリを包むだけでは弱いんです。ギリギリまで舌をとがらせたり、場合によっては舌を筒状にしたりする。

 僕は、舌の太さも思い通りに変化させることができるんです。あと、唾の濃度も変えられるんですよ。唾って普通はサラサラしてるじゃないですか。でも自分はまるでローションみたいにトロトロにして出すことができるんです。わかりやすく言うと、普通のつばと痰を使い分けられるといえばいいのかな。やっぱり女性にとってはトロトロで濃度が高い方が気持ちいいんですよ。だから、うまいと言われるんだと思います」

 三枚舌、太さを変えられる舌、自由自在に操れる唾の濃度、この三種の神器がけんさんの武器だ。その舌が作り出す七変化は、まさしく舌の魔術師という称号に相応しいものである。

 けんさんはこれらの武器を手に入れるために、鏡の前で日々トレーニングするなどの地道な努力を10年以上にわたって続けてきた。女性たちがけんさんに与えた愛称は、そんな長年にわたる血もにじむような研究と努力の結晶なのだ。