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女性用風俗の43歳人気男性セラピストが考える“夫婦生活”で最も大事なこと「確かに技術は必要。だけど最後はやっぱり…」

『ルポ 女性用風俗』より #2

2022/05/14
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 テク売りを貫くけんさんだけあって、サービスの形態も独自流だ。NG項目などを聞くカウンセリングまでは通常のセラピストと一緒だが、揉みほぐしなどの行程はたどらないという。

「僕の場合、まずはリップで全身を舐めるんです。ベッドに寝てもらって、背中から舐めていきますね。足の指とか脇の下を舐めるのも好きなんです。ずっと舐めてますね。上から下まで、指先まで。性感帯を探すのも好きなんです。それで大体体がほぐれてきた頃に前を向いてもらって、クンニという流れです。それも、ずっと舐められるんです。舌が痛くなるまで舐めてます。舐めすぎて、首が痛くなりますけど、それでも舐めてますね。

 1回イって、それ以上は触らないでという女性の場合は、責めない。でも何回もイケる人であれば、ずっと責めますね。相手が喜んでくれるのが嬉しいし、何よりも舐めるのが好きなので、全然嫌じゃないんですよ」

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 普通の男性はこんなに舐めてくれない。これまでの人生でこんなにまで舐めてもらったことはなかったー。イキすぎて体がガクガクになってしまった。あんなに濡れると思わなかった。すごく気持ちよかった。それがけんさんのテクを経験した女性たちの感想だ。

この写真はイメージです ©iStock.com

テクニックでなく愛が大切

 けんさんの常連のほとんどが40代以上の人妻だ。会社勤めでポジションも安定し、お金もそこそこ自由になり、子どももある程度手がかからなくなる年齢である。彼女たちは、パートナーはいるが、イったことがない、舐めてもらえない、そんな不満を抱えてけんさんのもとにたどり着く。

 夫婦生活を聞くと、夫とはセックスレスだったり、極端に回数が少なかったりといった悩みを日常的に抱えているという。家族もいるし浮気をする気はないが、性欲は満たしたい。そんな切実な願望を抱えた女性たちが後を絶たないのだ。その多くが夫婦関係でも性的なコミュニケーションがないのだという。彼女たちはけんさんの秀逸なテクによって、これまで閉ざされていた扉をゆうゆうと開いていく。

「例えばとても真面目な方で、これまでセックスにおいて旦那さんしか知らなかったから、感度が極端に低くなっている人もけっこういらっしゃるんですよ。僕のお客さんの場合、性欲解消のためにスポーツ感覚で、女風を楽しんでいるお客さんが多いんです。たくさん舐めてもらって、ああ気持ちよかった、さあ帰ろう、みたいな感じですね(笑)」

 テクに関しては百戦錬磨のけんさんにとって、女性がイクための要素として必要なものはなんだろうか。聞くと意外な答えが返ってきた。