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 優等生だった彼らと劣等生であった昔の私との最大の違いは、その習慣がなかったことでした。私は高校まで歯磨きや風呂での洗髪など、人間が生活を送る上で必要な習慣すら満足に身についていないような人間でしたから、彼らと大学で接していると別次元で生きてきた人間のように錯覚することがよくありました。

勉強を習慣化する

 でも、そんな自分の10代の頃とは天と地ほどの差があるような優秀な人も、大学に入って接することができたことで、喜怒哀楽のある同じ人間であることがわかったのが収穫でした。

 だから、皆さんも集中して長時間教科書や参考書を見られるようになってきたらチャンスがあります。勉強にも体力があります。

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 私は18歳のとき、1時間すら机に向かっているのが苦痛でした。勉強が習慣化していく過程で、それが5時間、10時間と増えていったのです。こうなってしまえばもう勝ちです。勉強に集中できるようになると、成績が上がり始めます。そうなると、もはや苦行だと思わずに机に向かうようになれます。

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目の前の課題を設定し、少しずつこなしていく

 その結果、模試でいい点数が取れるようになり、E判定ばかりだった志望大学で初めてD判定が出るようになりました。こうなったらもう、あとは希望しかありません。我々はゴールが遠すぎるからこそ絶望を感じるのであって、目標を1つずつ達成していくことで、希望と目的を持って勉強ができるようになっていきます。

 私が初めて勉強が楽しくなったのが9浪目でした。初めて、早稲田大学に合格できるかもしれないと、自分の行動が人生を変える可能性がある確かな実感を持てて机に向かうことができるようになったからです。希望と目的を持って勉強ができることほど幸せなことはありません。少しでも希望が見えてきたら、そこからの人生は明るいでしょう。

 その感覚を得るまで我慢して目の前の課題を設定し、少しずつ、少しずつこなしていきましょう。たとえ周囲の方がみんな分不相応な夢だとあなたのことを否定しようとも、過去に同じ思いをした私だけは応援します。

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