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9浪の末に早稲田大学に合格したものの…“受験に理解がない家庭”で育った私が入学後に実感した“残酷な事態”

『浪人回避大全 志望校に落ちない受験生になるためにやってはいけないこと』より #2

2022/05/26

genre : エンタメ, 社会

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 たしかに浪人の期間は辛いものです。でも、それは長い人生からすれば一瞬です。年老いてから、きっとあなたは若い時期に自分の殻を破って挑戦したことを誇らしく思うと信じています。

 浪人できない家庭なら無理は言いません。でも、もし親が浪人を許してくれるかもしれない家庭なのであれば、浪人を恐れて妥協するのも大事ですが、自分の限界に挑戦してみませんか。もし敗れて浪人したとしても、私はその挑戦に拍手を送りますし、あなたが挑んだ大学に行くような方で、その失敗をバカにするような人はきっといないと思います。

 どうか失敗を恐れず、頑張ってください。

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親・親戚に恵まれなかった人へ

 日本には私が想像もできない、私よりももっともっと大学受験に絶望的な環境の人や、一見環境的には恵まれていても、親族との関係がもっと悪いという人もいると思います。

 だからこそ、改めて私と似た環境で苦しんでいる方へのエールを送りたいと思います。

 私が生まれ育った地域は日中に車がほぼ通らないようなところで、玄関を施錠せず、開けたままであることも珍しくありませんでした。だからこそ、居間でくつろいでいるときにいきなり勝手に親戚が入ってきて説教を始めるなんてこともあります。

 この人たちと付き合っていて特に苦痛だったのは勉強や受験に理解がなかったことです。都会に出てから、高校3年生になってから受験を親族が全力でバックアップしてくれたという話を聞くたびに私は、その人と同じ環境に来た自分を誇らしく思うとともに、自分の出自を恥ずかしく思うようになりました。

どんなに否定されても、不可能なことはほぼない

 私は居間に日本史や古文の暗記事項を貼ったり、食卓で単語帳を読んだりするだけで怒られ、授業がない日に予備校に勉強しに行くのをガソリンの無駄だと言われてきました。早稲田に合格したときに「そりゃ5学部も受けたら1つは受かるやろ」と言われたときは情けなくて泣き叫びそうになるのを必死に抑えました。