「昔からこの街に住む人たちの悪ノリみたいな感じで始まったんです。私自身、生まれも育ちも現在のさいたま市なんですよ。だから、『愛を込めて地元をちょっとイジって盛り上がりたい!』という思いで、街中の面白いコンテンツをモチーフにして、ガチャガチャを作ることにしました」(中島社長)
内輪ネタで作ったガチャのラインナップは?
しかしラインナップの思案に1年も要し、すぐに発売するには至らず。2021年3月、苦節を経てようやく第1弾の「大宮ガチャ」が誕生した。パワースポットとして名高い「氷川神社」や、地元のFMラジオ局「FM NACK5」などの定番に加え、玄人好みである老舗純喫茶「伯爵邸」など全8種類をラインナップすると、発売から2日間で1000個が完売。予想を遥かに上回る売れ行きに、中島社長をはじめ関係者は皆が驚いたという。
「一体何が起きたんだと思いました」(同前)
特にTwitter上では「15回もやっているのに欲しいものが出ない」「なぜ大宮でこんなに面白いものができたんだ」など購入者が大盛り上がり。こうした反響の中、「『大宮ガチャ』があるならば、『浦和ガチャ』も出して欲しい」という声が寄せられるようになった。さらに浦和の老舗百貨店、伊勢丹からも「ぜひ浦和のガチャも作って欲しい」と打診される。
中島社長は「その声に応えないわけにはいかない」と本腰を入れて企画を立ち上げ、満を持して同年9月に「浦和ガチャ」の第1弾を発売した。定番スポットの「伊勢丹 浦和店」、「浦和パルコ」や、浦和レッズサポーター御用達の居酒屋「酒蔵 力(りき)」などの奥深いスポットまで吟味して揃え、発売初日には1800個が完売。大宮を上回るペースで売れ、更に勢いをつけたのだった。
「我々も仲間に加えてほしい」旧与野市民からの切実な要望
すると今度はTwitter上で、「同じさいたま市である我々も仲間に加えてほしい」と旧与野市民からの切実な声があがった。そしてその声はTwitterを飛び越え、中島社長のもとにも寄せられた。