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シリーズ累計7万6000個も売り上げている理由

「埼玉県民って自虐的なんですよね。一応首都圏だけど、東京は別格で勝てないし、神奈川・千葉と背比べをするけれど、どうせ埼玉だし……って。私たちは“埼玉をこじらせている”んですよ。自分も若かりし頃は埼玉育ちであることを隠していたかった(笑)。

 でもそういう恥ずかしさが、『翔んで埼玉』が公開されたことで笑いのネタにしていいとわかった。“自虐民”たちが互いに称え合える環境ができたことが大きかったと思うんです。

『何か面白いことを!』と思って悪ノリでガチャを始めたけど、自虐を分かち合うことで、地元をもっと面白く、楽しく、愛を持って語り合って欲しいと思って今は取り組んでいます」(同前)

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「『翔んで埼玉』をきっかけに、埼玉県民同士で自虐し合い、称え合える環境が整った」と中島社長

 埼玉県民の“自虐性”を、悪ノリ感覚でイジり続けているアルシェの「さいたま市ガチャシリーズ」。発売頻度は期待の声を燃料に加速し続けているが、一方で「そろそろやり過ぎ……」との声も聞こえてきている。アルシェ、そして中島社長は一体どこまで突き進むのだろう。

「『もういらない、ネタ切れ!』と言われるまでイジり続けたいです。各市が合併して20年。各々が住むエリアをなんとなくディスりながら来ましたが、ガチャを発売してみたら、それぞれのエリアの市民が“自分たちの街への愛着”をたっぷり持っていることが分かった。『あ、お互いにいいところあるよね、素敵だね』って改めて見直すきっかけにもなったと思っています。

 個人的には、ガチャを通して、合併後の混沌としたさいたま市の成長を垣間見ることができたようにも感じています。だからもっともっとガチャを続けていきたいし、互いのエリアのニッチで面白いネタを共有し合い、街への愛着を強固にしていきたいですね」(同前)

 

写真=三宅史郎/文藝春秋

INFORMATION

■設置場所

・大宮ガチャ:アルシェ大宮、ビックカメラ大宮西口そごう店、大宮西口DOMショッピングセンター、まるまるひがしにほん、スーパーオートバックス大宮バイパス店

・浦和ガチャ:伊勢丹浦和店、コミュニティプラザ・コルソ、浦和PARCO、酒蔵力 浦和本店、須原屋本店、須原屋武蔵浦和店

・与野ガチャ:たまアリ△タウン けやきひろば1階、さいたま新都心観光案内所、大こくや

■販売価格:1回300円 
 ※地域の文化振興に役立てるために、売上金の一部をさいたま市へ寄付しています。