大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のPB「情熱価格」が、“商品名が長すぎる”と話題になっている。公式サイトで「ふざけた商品名ですが、まじめにつくっています」と語るドン・キホーテだが、その裏には一体どんな戦略が秘められているのだろうか。

 ドン・キホーテのPBサポート部、PBマーケティングチームの責任者である中武正樹氏にインタビュー。後編となる今回は、ユニークな商品名が生み出される過程と、ダメ出しを積極的に受け付けるために同社が設置したサイト「ダメ出しの殿堂」について語っていただいた。(全2回の2回目/前編 を読む)

 

ドン・キホーテとして譲れない部分

――ドン・キホーテ社内で“ニュース”と呼称されている長い商品名は、どのようにして考案されているのでしょうか。

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中武 まずはニュース起案会議という会議を開きます。ここではその商品の開発担当者が、“この商品はこういうところが他の類似品と違っていて、こんなメリットがあります”というのをプレゼンして、その商品にどういうニュースが書けるかを挙げていきます。そしていくつかに絞った案を最終決定するために、後日、ニュース決定会議を行うのですが、このとき重要になってくるポイントは、弊社らしい言葉遣いや表現ができているか、という部分です。

 ニュースが決定すると、今度はデザイン部が参加して、デザインをどうするかを検討していくのですが、デザイン案に関しては素人の開発部が忌憚のない意見をする場面も少なくないです(笑)。“美しすぎても弊社らしい遊び心がない”、“これだと伝わらなくない?”など、ドン・キホーテとして譲れない部分ははっきりと意見を出し、時間をかけて検討しています。

MEGAドン・キホーテ立川店

――パッケージで遊び心を追求していることも、前編でお伺いした買い物にアミューズメント性を持たせるということの一環なのでしょうか。

中武 そうですね。弊社はCV+D+Aという考え方を持っていて、CVはコンビニエンス、Dはディスカウント、Aはアミューズメントを意味しています。ですので、買い物のアミューズメント性は大切にしていますね。スマホひとつあれば買い物ができてしまう時代だからこそ、わざわざ来ていただいたお客様にはワクワクドキドキしてほしいという気持ちは根底に持っています。