1ページ目から読む
3/4ページ目
運転の緊張感はまだまだ続く
酷道では県境に峠があることが多いが、この471号は岐阜県内に楢峠が存在し、その後は比較的緩やかに下りながら、富山県へと入ってゆく。
以前、2013年に訪問した時にはこの付近で発生したばかりと思われる土砂崩れに遭遇し、肝を冷やした。酷道の運転は、常に気を抜けない。
勾配がきつくても緩くても、線形がストレートでもヘアピンカーブでも、一貫してずっと道幅が狭く、路面が荒れている。乗用車1台が通過するギリギリの道幅しかなく、アスファルトからは草が生え、無数の落石が転がっている。峠区間もその他の区間も終始、運転の緊張感に大きな差はない。
国道を進み富山との県境付近に差しかかると、もう夏だというのに雪が残っている。
県境を越えると道路の表情が変わる
県境を越えて岐阜県から富山県に入ると、路面の状態が少し良くなったように感じた。実は、国道というものの、国が直轄で管理している国道というのはごくわずかしかない。大多数の国道は、都道府県が管理を行っている。この471号も岐阜県と富山県がそれぞれ管理を行っているため、県境を越えると道路の表情が変わるのだ。
県を跨いだところで路面や道路設備の整備状況を観察し、県による力の入れ具合に差があることを感じることも少なくない。富山県に入っても道幅は依然として狭いままだが、アスファルトから草が生えることはなくなった。
しかし、路面の状態が良くなったからといって、油断はできない。規制が解除された直後とあって、随所に災害の爪痕が残っていた。落石によってボコボコにされたガードレール、土砂を撤去したばかりの路面、積雪の重みで落ちてしまった国道標識などから、自然の脅威を肌身に感じる。