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ハンドル操作を誤れば、川底へ転落
飛騨の大動脈である国道41号を北上して高山市と飛騨市を通過し、国道471号へと入ってゆく。集落を1つ過ぎて右折すると、すぐに酷道区間へと突入する。センターラインは消えて道幅が一気に狭くなるのだ。
それも、ただ狭いだけではない。左右にデコボコとしていて道幅がいびつなうえ、路面もフラットではなくアスファルトが波打っている。
狭くて不安定な路面に緊張感が高まるが、それだけではない。川沿いなのに、ガードレールがないのだ。対向車が来ようものなら延々とバックするしかないが、少しでもハンドル操作を誤れば、川底へ転落してしまう危険もある。
酷道区間に入って1キロも走らないうちに、強烈な洗礼を受ける。
舗装路なのに雑草が……
そして、路面はさらに荒れてくる。アスファルトが風化し、その上に雑草が生えているのだ。舗装路なのに、雑草によってワダチが形成されている。アスファルトに草が生えている光景は、さすがに草が生える。
路面の雑草のほか、道の左右からも木々が侵食し、道幅をさらに狭めている。自然と人工物が融合した荘厳な眺めではあるが、運転する身としては、それどころではない。
国道は基本的に川に沿って伸びているためそれほど急勾配ではないが、県道34号との分岐の手前に、多くの等高線を跨ぐ楢峠がある。標高1220メートルの楢峠の区間はヘアピンカーブが連続し、グングンと標高を稼いでゆく。
ちなみに、このような山奥で分岐する県道34号の方だが、2006年以来ずっと通行止めの状態が続いている。