「ホテルに着くと深緑色の葉を巻き始め…」
「その日、彼はホテルに着くと、タバコを巻く機械を取り出し、深緑色の葉を巻き始めました。明らかにタバコとは違う色だったので、もしかして大麻なんじゃないかとピンと来ました。『大麻でしょ?』と聞くと『こんなの、みんな吸ってるから』って。
薬物を覚えたのは、電撃ネットワークの全盛期。海外で活動していた頃で、一通りの薬物は試したとも言っていました。大麻を巻く手慣れた姿が、常習性を物語っていました。このまま関係を続けていいのかと怖くなりましたが、その時は付き合いたてで彼に夢中だったから、『巻くの上手なんだね』って話を合わせてしまいました。すると彼は『三五十五(13年に死去した電撃ネットワークのメンバー)はもっとうまかった』って笑っていました」
それ以来、A子さんとの性行為前に、小柳は必ず大麻で一服していたという。
「吸っている最中に私がいちゃつこうとすると、まだ待てと怒られる。吸い終わっても彼はベッドに横になって、私に下半身を触るように指示してくるだけで、自分からは全然触れてこない。彼は大麻を吸うと感覚が敏感になると言っていたので、自分はそれで気持ちよかったのかもしれないですが、私にはそれが愛のあるセックスだとは思えなくて……。
しかもある日、自宅でいつものように大麻を吸っている時、彼は無言で私に紙巻きを差し出したんです。私は驚きつつも、吸ったふりをして彼に戻しました」
大麻売買の実態「仕入れたパケを靴下に…」
交際を続けていくなか、A子さんは次々と小柳の“黒い本性”を目にすることになる。2021年の夏頃、小柳は大麻の売買にも手を染めていることを明かし、A子さんをも巻き込んだというのだ。
「彼は後輩の男から大麻を仕入れ、そのうちの一部を懐に入れて、残りは知人に売り捌いていました。彼は知人から頼まれたり、手持ちの大麻がなくなったりすると、その男に電話して『今いいのある?』と聞きます。交渉が成立すると彼がどこかの駅へ取りに行くか、男が小柳の自宅に近い駅に持ってきて受け渡しをしていました。
大麻を仕入れた時は帰宅すると靴下の中からパッケージを取り出すので、すぐにわかるんです。彼は仕事に行く時以外は基本的に手ぶらなのですが、大麻を知人に持って行くときは必ず紙袋に入れていましたね。大麻を一番下に入れて、その上から何か物を入れてカモフラージュして……。
実は私も彼の大麻の売買に同行したことが2度あります。どちらも平日の19時〜20時くらいだったと思います」
「ブツ持ってくるから一緒に来て」
小柳からそう言われたA子さんは、小柳とともに電車に乗り、国領駅に向かった。
「駅に着くと、彼は私に改札内で待つように指示して、自分は改札の外へ歩いていき、後輩の男と接触しました。 遠くから見ていましたが、受け渡しはほんの一瞬でした。
パケは手のひらに収まるくらいのサイズ。透明のジップ付きの保存袋に入った大麻は平べったく圧縮されていました。彼はそれをトイレに持って入り、靴下の中に入れ、足の裏のほうに押し込んで隠すんです。そして何事もなかったかのように電車に乗って自宅に帰ると、すぐに自分の分をコンタクトレンズケースかラップに取り分け、品質を確かめるために、吸い始めました」