「彼は建設系の派遣会社に登録しており、電撃ネットワークの仕事がない時には建設現場の仕事を入れていました。交通費は派遣先から支給されているのですが、その分を浮かせるためにいつも自転車移動でした。自転車では行くのが難しい遠くの現場が入った時、『明日仕事に行くお金がない』という彼に、数千円、数万円といったお金を貸したことは何度もあります。
特に月末は『もう数百円しか財布にないんだ』と言って、お金を催促されることが増えました。お金だけでなく、物をねだられることもありました。最近、腰が痛いんだよなとしきりに言うので、『コルセットを買ってあげようか?』と言うと、『いいの? ありがとう』と」
生活苦でも求めてしまう大麻の“魔力”とは
小柳はそんな生活のなかでも、自身が全盛期だった頃に知った大麻から離れることはできなかった。
「おそらく彼は大麻を買うだけのお金がなく、売買の仲介をして一部を懐に入れるしか手段がなかったのだと思います。彼が一回の取引で自分用に取り分ける大麻は紙巻きにして10本分くらい。いつも大麻とメンソールの紙巻きタバコをほぐした葉を半々くらいにして巻いていました。大麻が少なくなってくると、タバコの量を増やして。そうまでして大麻を求める彼の姿は、痛々しいものでした」
小柳が大麻を使用していたのは、A子さんの前だけではない。A子さんは小柳が仲間と大麻を回し吸いする退廃的な“大麻パーティー”にもたびたび連れられて行ったというのだ――。
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6月3日(金)21時~の「文春オンラインTV」では本件について担当記者が詳しく解説する。
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