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「翌日、学校にうちのクルマが番長駐めされてて…」トランスジェンダー格闘家(31)が語る、壮絶な“女子校イジメ”と大胆すぎた“親の対応”

進一さんインタビュー #2

2022/06/03
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「上履きにがびょうを入れられたり」女子校での壮絶なイジメ

ーー高校は、ソフトボールの強豪校である藤村女子高等学校へ。 

進一 ソフトボールに明け暮れていたおかげで、特待生として入らせてもらいました。当時の僕はオバカなので「女子校、ハーレムじゃん」って思ったけど、そんなことぜんぜんなくて。 

 1つ上の先輩に、好きな子がいて。校内でね、ちょっとチョメチョメしちゃったらバレて広まって。「あいつ、キモいね」って、高3までいじめられるようになっちゃいました。 

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ーーどういったイジメを。 

進一 まぁ、靴を隠されたり、上履きに画鋲入れられたり。僕、絵を描くのが趣味だったんですけど、スケッチブックを破かれたりとか。けっこう、嫌なことされましたね。「男みたい」とも言われたり。それは合ってるんだけど、今思えば(笑)。

 いじめられていたからこそ、無心でソフトボールに打ち込んで。部活でも一緒の同級生が守ってくれたし。でも、悲しかったですね。 

 僕のお父さんが、怒ると結構怖い人なんですよ。だから、うまいことバレないかなって思ってました。 

ーー学校に殴り込んでほしかったと。 

進一 そうそう。で、あるとき、家で友だちに電話で愚痴ってたんですよ。「こういうことあって、マジだるいんだけど」って。それをお父さんが聞いていて「おい、その話は本当か」って言われて。お父さんには嘘つけないから「あ、すいません。実は……」「おい、なんで言わねぇんだ!」って。 

 そこからすぐ、お父さんから姉貴に連絡が行って。姉貴は速攻で「明日伺います、そちらに」って、学校に電話を入れて。 

 次の日、「やりかねないな。でも、まさかな」と思ってたら、学校の正門にうちの車が。当時、家族が外車に乗ってたんですけど、それが堂々と番長駐めされてて。駐車禁止なのに。「たまたま、うちと同じ車なだけだ」と思い込もうとしたんだけど、サングラスを掛けた姉貴と兄貴が仁王立ち。 

 

ーーお兄さんもいたんですね。 

進一 います。あんま絡みないけど。整理すると、姉貴と兄貴とは腹違いで、2人のお母さんは日本人。で、お父さんが離婚して、フィリピン人のお母さんと再婚して僕が生まれました。 

 それで、正門の前でサングラスかけてニタニタしてるふたりに、ソ~ッと近づいたら「あっ、来たよ♡」って気づかれて。「なんで?」って言ったら、「決まってんじゃん。職員室、どこ?」みたいな。それで、後はお任せです。

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