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  校舎のなかにガンガン入っていって、そこでいじめの主犯格を探そうと思ってたみたいなんですけど、さすがに先生に止められて。じゃあ、うちの親、姉貴、兄貴、あっちの親で、後日面談しようってことになったんです。 

「君ね、もうここまで来ちゃったら…」父が面談で語ったこと

ーー殴り込みの後は、手打ちになりますよね。 

進一 向こうは父親だけ来ましたね。その席でいじめの件を話した後、「ちょっと、こちらの親御さんとふたりだけで話しさせてくれや」と、お父さんと主犯格の父親だけになって。で、主犯格の父親に「いまからあなたのことを悪く言うから。それを娘さんに見せて、自分がやったことに対する罪悪感を学ばせましょう」って話したんですって。 

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 で、僕と主犯格が部屋に呼ばれたら「あんたの教育がなってねぇんだよ!」って、バーっと散々言ってるんですよ。それを見て主犯格の子が「私が悪かったです」と謝ってきたんですけど、「君ね、もうここまで来ちゃった以上、もう君だけの話じゃなくて親同士の問題になるんだよ」って、さらに言葉でボコボコにボコすんですよ。 

 さすがに主犯格も泣き出して、その父親も「娘のことは私がちゃんとやりますんで」と言い出して。そうしたら「俺があんたのケツを蹴って、手打ちにするか」って。というのも、僕は主犯格の子にケツを蹴られてるんですよ。

 

 で、「嘘だよ。あんたの根性を試したんだよ」と。「今回の件を、どこまで考えてくれてんのかなと思って。同じことを起こさないようにしないと。たまたま俺が親でこうなったけど、あんた俺じゃなかったら気付かなかったんじゃない?」って。 

 どこまで上から目線なんだよって感じですけど、娘がやらかしたいじめ、親の教育の対して諭したっていうね。 

カミングアウトして、姉にかけられた言葉に号泣

ーー結束の強い一家ですね。お話を伺うと、なにかと節目にお姉さんが現れるような。家族で初めてカミングアウトしたのもお姉さんだったそうですね。 

進一 姉貴にいじめられていることを話していた延長で、性別のことも打ち明けたんですよ。そうしたら「悩みじゃないでしょ。選択じゃん。悩みでもなんでもない」「自由じゃん、そんなの。あんたはそうやって生きたい、進みたいと思っただけでしょ」って。僕は号泣しましたけど、それ聞いた時に。