ソフト・オン・デマンド株式会社(以下SOD)に勤めている宣伝部の女子社員として、地上波バラティ番組に出演した市川まさみは、それから数カ月後、アダルトビデオの女優としてデビューした。
以降、第一線の女優として活躍を続け、女優として業界内での地位を確立してきた彼女が2022年5月31日をもって女優業を引退する。今回、文春オンラインでは、市川さんのインタビューを実施。はたして、彼女はなぜAV女優になったのか……。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
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家族仲が悪いわけではないものの……
――まずは市川さんがAV女優として生きていく道を選ぶようになるまでのお話を聞ければと思っています。幼少期はどのようなご家庭で生まれ育ったんでしょうか?
市川 両親と姉1人の4人家族で育ってきました。両親は、“子どもたちの人生は子どもたちのものだから、あまり介入しない”という考え方でしたね。それでも、娘たちの意図は常に尊重してくれながら、「何か失敗してしまったとか、どうしようもないときは、言ってきなさい」と、育ててもらった印象が強いです。適度な距離感を保ちながら見守ってくれていたという感じですかね。
仲が悪いわけではなくて、むしろ仲の良い家族なんですけど、友達付き合いをするわけじゃないというか、本当に必要なことがあれば、そのときにしっかりと話し合いをするみたいな感じというか。
――小学生時代はどんな子だったんでしょうか?
市川 わりとみんなの輪の中心にいるタイプでしたね。
そうなろうと思っていたわけではないんですけど、運動が得意だったんです。小学校の頃って運動が得意な子は人気になるじゃないですか。
当時は、水泳部とバドミントンとミニバスと陸上の部活を掛け持ちするくらい、本当に運動ばかりの毎日を送っていましたね。
大人になって教師になった姉は“勉強が得意だけど運動は苦手”。私は“勉強が苦手だけど運動は得意”ということもあって、「じゃあ、私は運動を頑張ろう!」という気持ちだったことを覚えています。