2015年1月8日にソフト・オン・デマンド株式会社(以下SOD)からセクシー女優としてデビュー。以降、数多くの作品に出演してきた市川まさみが女優業の引退を発表した。

 並行して続けてきたアイドルグループ「恵比寿マスカッツ」の活動は、女優引退後も続けるというが、彼女はどのような思いで、自身のキャリアを見通しているのか。引退を発表した市川まさみに、これからの活動についての考えを聞いた。(全3回の3回目/#1#2を読む)

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メンタル面で悩んだ「恵比寿マスカッツ」加入後の日々

――市川さんといえば、セクシー女優としてだけでなく、リーダーを務められているアイドルグループ「恵比寿マスカッツ」での活動も精力的に行われています。アイドルデビューのきっかけはどのような経緯だったんですか?

市川 2016年の2月頃、SOD宣伝部での勤務と女優業を兼任していた状態から、女優業に専念するようになったタイミングで、すでに活躍されていた恵比寿マスカッツの運営の方から会社宛に「オーディションをします」という案内があったんです。そのオファーに対して、SODの高岡さんという方から私が推薦されたのがきっかけでしたね。

 

――当時、女優としても毎月のように作品をリリースされているなか、アイドル活動も並行するとなると、とてつもなく多忙だったのではないでしょうか。

市川 正直、マスカッツに入ってからの話でいうと、すごく、メンタルの面で上下がありましたね……。

――体力よりも、メンタルの面で大変だったんですね。

市川 体力は大丈夫だったんです。もちろんスケジュールはヤバかったですけどね。女優業としての仕事があって、そのあとにマスカッツの収録・ライブ・リリースイベントがあったり。7時、8時に家を出て仕事して、家に帰るのはいつも深夜12時超えみたいな感じでした。毎日寝られるのは3時とか4時とか。……って言うと、すごく忙しいなか頑張っていたみたいですけど、当時はしょっちゅう寝坊をしたりもしていました! そのたびに毎回、土下座するような気持ちで謝って。

 

――あまりに忙しくなると、精神的にも追い込まれていきますよね。

市川 恵比寿マスカッツの総合演出のマッコイ斉藤さん(注:『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』や『おねがい!マスカット』など数々の人気番組を担当してきたディレクター)からは「お前らはアイドルじゃなくてバラエティグループだから」と言われていたんですね。しかも、“バラエティ”って言っても“ガチなバラエティ”だったんです。

 マッコイさんはこれまでバラエティの畑で名を揚げてきた方だから、メンバーにも怒る時は全力。中途半端にやったら鋭く言われる。そういうなかで、「私は本当にバラエティ力がないんだな」って気づいて。