ソフト・オン・デマンド株式会社(以下SOD)に勤めていた際、会社から打診を受けてAV女優として作品に出演。デビューに至るまでの驚愕の経緯で大きな注目を集め、以降、第一線の女優として活躍を続けてきた市川まさみさんが2022年5月31日をもって女優業を引退する。
彼女はなぜAV女優になり、そして、引退を決意したのか。胸に秘めていた思いを聞いていく。(全3回の2回目/#1、#3を読む)
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デビューを決意できた一番の理由
――女優デビューの打診があった際に、とても悩まれたとのことですが、バラエティ番組『ゴッドタン』出演後、ネットで市川さんの話題がとても盛り上がったことを強く記憶しています。周囲から待望の声もあったのではないでしょうか?
市川 そうですね。私が所属女優さんのイベントをサポートしに行って、ユーザーさんとお会いしたときに、「デビューしないの?」「デビューしてよ!」という声をかけられたり、現場に足を運んでいないイベントでも、別の社員が「あの子、デビューしないの?」と声をかけられたりしていたみたいです。
会社にも、実際に「デビューさせてよ!」みたいな電話がかかってきて、それを私が受けていたり。あと、当時運用していたTwitterにもそういう内容のDMが来ていたりもしたんです。私自身がいただいたメッセージに目を通していました。
――周りからの声は、女優デビューを決意する要因の一つにもなったのでしょうか?
市川 それだけの人が期待を持って、待ってくれていると思ったら、「やってみてもいいのかな?」と思ったのは確かです。
ただ、周りから求められているから出演する、というわけではないですね。当時の私は広報という立場だったので、自分自身が表に出れば、よりSODの知名度が上がるんじゃないかな? と考えたっていうんですかね。
自分が表に出て、その流れで他の女優さんを紹介できたりしたら、広報としては間違いなくプラスなわけですよ。そこで、「もしかして、これは一石二鳥?」と思うようになっていって。「挑戦してみよう……!」と思ったみたいな流れですね。
あと、これまで、人生における目標をあまり持たずに歩んできていたこともあって、どこかに「目標をつくりたい」という気持ちがあったんです。それがデビューを決意した一番の理由かもしれません。
――デビューされたのは2015年1月8日のことでした。実際に女優として歩み始めると発表した際の周囲の反応についてお聞かせください。
市川 2ちゃんねるがすごく荒れていたって聞きました。実際、ネガティブな声も多かったです。