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市川 一番印象に残っていることですか。女優としてデビューして周りから求め続けられたことももちろんそうなんですけど、やっぱりマスカッツに入れたことですかね。なんていうんだろう。人としてすごく強くなれたんですよね。

 いい意味で自分を変えられたんです。もちろん、しんどい時間もあったんですけど、これまで生きてきて目標が定まりきらなかったのに、目標を持てるようになったという意味でも、すごく成長できたので、本当によかったと思っています。

引退発表を祝われる市川まさみさん

 これも、私が女優という道を選んでいなければ、なかった道なので、あのときに女優デビューの打診に応えたことが失敗じゃなかったと、よく振り返っていますね。

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「女優としての活動は諦めるしかないな」という結論

――女優として、作品をコンスタントに出せない期間もあったりしましたが、これまでの活動の中に後悔はないのでしょうか。

市川 実は、後悔は全然ないんです。

 ただ、ヘルニアになってしまって、作品のリリースを途中で止めての引退になってしまったのは、確かにやりきれなかった部分かもしれません。でも、事務所とも色々話し合って、「女優活動」「アイドル活動」「私自身の体」……これから何を優先していくのかっていうところで、女優としての活動は諦めるしかないな、という結論にたどり着きました。

 女優としての作品をいつも買ってくれていた方への申し訳無さはあるんですけど、いまの私の中ではそのふたつが大事だったんです。悔しいことがないわけではないけど、“後悔”ではないっていうんでしょうか。

 

――女優は断念して、恵比寿マスカッツは続けられる。それだけ、恵比寿マスカッツの活動が市川さんにとっては大事だったんですかね。

市川 やっぱり、マスカッツは私自身をすごく成長させてくれた場でもあると思っていますし、リーダーを任せてもらえていることもあって、私一人の判断がチームに及ぼす影響も大きいと思うんですよね。あと、マスカッツのことを中途半端にはしたくない、という思いがあって。これから作品を撮らないっていう決断をした以上、マスカッツの活動を全力でやりきろうっていう思いもありますね。

――ファンの方からは引退作をしっかり撮ってほしかったという声もあります。