1ページ目から読む
4/4ページ目

社長 「地元のわがスター」っていうローカリズムが大切だと思うんです。これからはただ東京から発信していけばいいっていうもんじゃない。YouTubeや配信もあるし、まずは地元で愛されることが大事ですよね。地方創生もプロダクションがお手伝いできるひとつだと考えていまして。

どんなニーズにも応えられるカードを

――全国的に、拡げていっていますね。

社長 「サンミュージック・アカデミー」は全国に8か所ありますし、いわば「住みます芸人」のように、栃木県の佐野や山梨県の甲府に住んでレギュラーを持って活躍しているタレントも所属しています。人口が減って高齢化した地方都市に、元気を取り戻してもらうお手伝いは今後も力をいれていきたいと思っているんです。

ADVERTISEMENT

 とにかくウチの強みは、幅広いタレント層ですから。

――いま全部で何人所属をしているのでしょう。

社長 大枠でいうと300人以上います。どんな需要にもこたえられるようにジャンルはものすごい広いですよ。スポーツではオリンピック選手もいれば、鈴木みのるくんなんてプロレスラーもいたり。

©文藝春秋 撮影/深野未季

「めざまし8」に出ている軍事ジャーナリストの井上和彦さんもそうです。

副社長 歴史アイドルもいれば料理家、書家、それにマジシャンに姓名判断のひともいますね。

社長 需要があるところに供給できなければいけない。いまやタレントは高いお金で売れればいいという流れではなくなってきています。たとえ薄利多売でも、どんなニーズにも応えられるカードをたくさん持っていることがプロダクションとしての強さに繋がるのだと思うんです。

「薄利多売、なんでもある」芸能界の“ドン・キホーテ”

――ずいぶんと芸能界が変わってきましたね。

社長 時代の流れですね。例えば、ワタナベエンターテインメントさんとかホリプロさんなどはランクでいえば、三越であり伊勢丹であると思います。

 じゃあうちはどうだっていうと、タレントの子を見てもお笑いの子を見ても、一発屋もたくさんいますけれど、高級百貨店まではいかなくてもいいじゃないか、と(笑)。スーパーでいい。スーパーのなかでも特色があるドン・キホーテでいいじゃないって。

©文藝春秋 撮影/深野未季

――芸能界のドン・キホーテ!

社長 「あそこに行けば、たのしくて面白いタレントさんたちが揃っている」とお声がけいただければ一番いいんじゃないか、と我々経営陣としては考えているんです。

 これが今後、サンミュージックが生き残っていくための展開のテーマですね。

――最後に、いずれ「3代目・相澤社長」の誕生もありえますか?

社長 あるにしてもそれは相当先の話ですねぇ。世襲っていい部分と悪い部分がありますし、芸能プロダクションの今後に大切なのはクリエイティブな発想と幅広いジャンルに対応できる能力があるかどうか、ということ。もしかしたら、岡にだって(次期社長の)可能性はあるわけですよ。

副社長 いまのところ録音とれてますか? あとでください(笑)。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。