「an・anマンガ大賞」大賞受賞をはじめ「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」審査委員会推薦作品選出、「次にくるマンガ大賞 2020」Webマンガ部門でも入賞した人気作、『やまとは恋のまほろば』。
長らくの休載で、再開を望むファンも多かった本作が、ついに「文春オンライン」で再始動!
さらに、6月20日よりいよいよ新エピソードも連載開始です。
主人公は、大学の古墳研究会に所属する“さえない”自分を気にして友達に気後れしてしまう三和穂乃香。“古研”の活動を通じて、だんだんと恋をし、成長していく。
そんな「やま恋」の“今っぽさ”を感じる魅力の秘密、そして今後の「やま恋」での穂乃香たちの恋の行方は……?
連載再開にあたって、著者の浜谷みおさんにお話をうかがった。
このインタビューは<後編>です。<前編>はこちら。
可児江先輩は飲み会のシーンで自然と動き出した
――古研の男子2人の作中での役割はどう決まっていったのでしょうか。
浜谷 飯田くんがちょっと脱力系の、何を考えているかわからない子っていうのはわりと初期から変わらないんです。
でも、可児江先輩は作品中でどうなっていくのか?と手探りな部分もあって、特に1、2話は悩みました。
3話の飲み会で穂乃香を連れて帰るシーンで「この人はこういう役割かもしれない」とキャラが動き出したんです。
――可児江先輩の人気が一気に上がったシーンだったと思います。
浜谷 引かれてしまうかな?と不安もあったんですが(笑)。
そして、飯田くんが動き出したのは、合宿の藤ノ木古墳で穂乃香の日よけになってあげるシーンです。
飯田くんは普段は私がしっかり考えて、おしりを叩かないとなかなか動いてくれない困ったキャラなんですけど(笑)、このシーンはスルッと動いてくれた。
未盗掘の石室で、穂乃香の心が盗まれるっていうのが、うまくつながっていきました。
飯田くんの天然でああいうことをさらっとする優しさとかが、計算のない保育園の男の子のピュアさと通じているのかも。