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《元警視庁警部に懲役2年の実刑判決》「裸の写真でも撮ってみるか」「服の中に手を…」被害女性が涙ながらに明かした“警視庁内密室陵虐”とは

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 5月31日、東京地裁は元警視庁警部の蜂谷嘉治被告(64)に、特別公務員暴行陵虐罪で懲役2年の実刑判決を言い渡した。罪に問われたのは、警視庁本部で薬物依存の相談に乗っていた女性の胸を触り、裸を撮影した行為だ。

「特別公務員暴行陵虐罪は警察官や検察官らが、事件の関係者などに対してわいせつ行為などを行うと適用され、一般人が同じことをやるより罪は重くなります。今回は、実刑ということでかなり厳しい判決になりました。

警視庁 ©iStock.com

 裁判官が言うように、まさに警察という立場を悪用した警視庁本部での大胆な犯行で、傍聴者の開いた口は塞がりませんでした。涙ながらに訴える被害者と対照的に、蜂谷被告は完全に否認し、心証も非常に悪かった」(大手紙司法記者)

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 薬物依存防止にあたって、いま警察は依存者を逮捕するだけでは無く、依存者の相談に乗るなどの支援にも力を入れ始めている。その現場で何があったのか――。

加害元警部は「強面の頼れる刑事」だった

 かつて警視庁を担当した経験のある社会部記者が解説する。

「蜂谷被告は、警視庁では有名な刑事でした。池袋署勤務時代の2016年に『NO DRUGS』という依存症者の支援グループを作るなど、薬物に手を出してしまった人の支援に力を入れていました。この活動については、各マスコミも取材しています。

蜂谷嘉治 ©共同通信

 その後、2018年に定年退職しましたが、専門的な知見を買われて再任用されました。依存者らの相談に乗るなどしていましたが、2019年9月に突如依願退職。蓋を開けてみれば今回の事件があったわけです。

 しかし依願退職後にはNPO法人『ネクストゲート』を作り、受刑者らの再犯を防止し、地域社会の雇用を増やすといった活動をしていました。強面の頼れる刑事という感じで、悪い評判も聞いたことはありませんでしたが……」