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 しかし、アルバイトの面接へ行ったまま行方不明になれば、さすがに足がつく。

 心配した家族は警察に通報し、当然のごとくゲイシーに疑いの目が向くことになった。ましてやゲイシーには犯罪歴があるのだ。

 自宅にやってきた警官に対し、ゲイシーは「面接を終えた後のことは知らない」と突っぱねたが、疑いは晴れない。警察は、ロバートが監禁されているのではないかと考え、彼の身辺を徹底的に洗い出した。

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 すると、ゲイシーが近所のガソリンスタンドの店員に薬物を手渡していた事実が突き止められ、彼は再び逮捕されることとなる。

 同時に家宅捜索の令状をとった警察は、ゲイシー宅からドラッグ用の注射器のほか、同性愛に関する本やポルノ映画、男性器の模型などを発見。さらに世間を震撼させたのが、床下などから29人分の遺体が見つかったことだった。

 高さ1mにも満たないゲイシーの一戸建ての床下の空間に、青年たちの遺体が、時にコンクリートに固められ、時に土壌に埋められる形で所狭しと並んでいたのである。

 ゲイシーは、遺体の分解を進め腐敗臭を隠すべく、多量の石灰を撒いていたが、役に立つはずもなかった。

 捜査員たちは、次々に遺体や遺骨が発掘される惨状と、気を失うような悪臭に酷く悩まされたという。

 地下水が滲みだす土壌には有毒ガスが発生し、屍蠟(脂肪が特殊に変性し半固形化したもの)化が進んだ肉塊も散見された。

史上最悪の殺人犯ゲイシーの「最後の言葉」

 これを機に明らかになる、ゲイシーの犯行の数々。

 32人を殺害しても捜査の手が及ばなかったことから、彼は「自分はこのまま逃げおおせられる」と確信していたようだ。

ジョン・ゲイシーの描いた絵 ©getty

 33人もの若い命を奪ったゲイシーは、裁判所から死刑宣告を受ける。

 彼は無罪を主張し、たびたび上訴しているが、1994年5月10日に刑は執行された。

 なお、伝えられるところによれば、ゲイシーの最後の食事はフライドチキンとフライドポテト、そしてダイエットコーク。

 最後の言葉は「Kiss my ass」であったという。

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