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「前橋スナック乱射事件」の悲劇とは…?

 住吉会系矢野睦会会長の矢野治は稲川会大前田一家の元幹部を襲撃するチャンスをうかがい続けた。そして2003年1月、矢野睦会の幹部2人が、稲川会大前田一家の元幹部がいた群馬県前橋市内のスナックに乱入して拳銃を乱射。

 元幹部は難を逃れたが、暴力団とはまったく無関係の店内にいた一般市民3人が殺害される理不尽な結果となり、社会から大きな非難の声が上がった。この事件は「前橋スナック乱射事件」として今でも多くの人の記憶に残っている。

拳銃乱射事件があった「スナック加津」の現場検証をする群馬県警の捜査員 ©️共同通信社

 近年も、法事の最中ではなかったものの、義理事で多くの組員らが集まっていたところで銃撃事件が起きたことがあった。

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義理事に関わる事件で賛否両論が起きたことも

 2020年5月、岡山市内で神戸山口組池田組(当時)の若頭・前谷祐一郎が銃撃されて重傷を負ったのだ。発砲したのは6代目山口組系の幹部だった。

 神戸山口組池田組は2016年5月にも前谷の前任の若頭だった高木昇が同市内で6代目山口組系の組員に射殺されており、前谷が撃たれたのは高木の法事が終了して、組員らが池田組事務所に戻ってきたところだった。

 意外なことに、前谷が銃撃された事件については、暴力団幹部たちの間でも様々な見解が飛び交ったという。

 ある指定暴力団幹部は、「法事であれば多くの幹部が必ず参列する。法事の最中ではなく、終了後であったとしても『義理事の日』を狙ったのは問題ではないか」と指摘する。

 一方で、池田組は2015年8月に山健組などとともに6代目山口組を離脱して神戸山口組を結成した中核組織だった。離脱したことによって、池田組組長の池田孝志は、6代目山口組から絶縁されていた。このため「まったく問題ない」と指摘する暴力団の幹部もいる。