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銃撃でも…業界のタブーを破ったことにはならない?
「池田組は6代目から絶縁されているから、表面上はヤクザとは無関係。つまり、法事が行われていたとしても、ヤクザとしての義理事にはならない。一般人の法事なのだから、銃撃があったとしても業界のタブーを破ったということではない。だから正当化されるとの理屈が通る」
暴力団の対立抗争では、当然ながら「やられたらやり返す」ものとされている。ところが、若頭が2代続けて銃撃されても当時の池田組から6代目山口組への報復はなかった。
さまざまな思惑が絡み合うヤクザの慶事や弔事
警察当局の幹部によると、「池田組としては返し(報復)をしたかっただろう。ただ、理由は分からないが、神戸山口組としてはこれを許さなかったようだ」という。報復を許されなかったことへの不満を募らせたのか、池田組は2020年7月に神戸山口組から離脱を表明している。
長年暴力団犯罪捜査を担当してきた警察当局の捜査幹部は、こう指摘する。
「返しを許されなかったことはヤクザのメンツとして耐えられなかったのだと思います。それが原因で出て行ったとしてもおかしくない話だと思います」
ヤクザにとってなにより大きな意味を持つ「義理事」。だからこそ、警察当局も対立組織も、常に義理事に関しては注視しているのだという。
「我々が逃げているヤクザを追うのは容易ではありません。だからこそ、警察にとっては義理事の場はヤクザを逮捕する大きなチャンスなんです。また、同様に、抗争相手の組織にとっては、相手を狙うのに格好の場でもある。さまざまな思惑が絡み合うのが、ヤクザの慶事・弔事なんです」(文中敬称略)
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