国内最大の暴力団である6代目山口組。それに次ぐ勢力の住吉会代表・関功が5月31日、死去した。76歳だった。
暴力団社会では、葬儀やトップが代わって組織を継承した際の襲名披露などは「義理事」と呼ばれ、最重要儀式とされている。関の葬儀は出身母体である共和一家の千葉県内の施設で6月上旬に行われた。6代目山口組組長の司忍をはじめ、全国から多くの暴力団の最高幹部が弔問に訪れた。(全2回の1回目)
◆ ◆ ◆
最も高い位置には6代目・山口組組長の名札が…
警察庁によると、住吉会は18都道府県に傘下組織を従え、最新データの2021年末時点で約2500人の構成員が確認されている。構成員数では6代目山口組の約4000人に次ぐ国内2番目の巨大組織だ。それだけに供花とともに、暴力団業界の「オールスター」といっても過言ではない、国内の主要暴力団の代表者らの名前が書かれた名札が祭壇を飾った。
関の遺影の左右には住吉会の現会長である小川修司の名札が施主として掲げられ、そのすぐ横の最も高い位置に6代目山口組組長の司の名札が、逆側には住吉会に次いで国内3番目の暴力団組織である稲川会の総裁・清田次郎の名札が配置された。
6代目山口組若頭の高山清司、稲川会会長の内堀和也のほか、2021年8月に暴力団トップとしては初となる死刑判決となった工藤会総裁の野村悟の名札も掲げられていた。
首都圏に拠点を構えるある指定暴力団の幹部は「供花や名札の配置は重要」と打ち明ける。
「親分たちのカンメ(キャリア)によって上から順番に配置される。祭壇の写真を見ると、施主のすぐ横に『司』とある。これは、6代目山口組という国内最大組織の親分だからこそ。メンツを気にするヤクザの世界では、どのような序列で親分の名前を配置するかということは、非常に気を使う」