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 政策保有株については「段階的かつ可及的に速やかに売却していくことが適当」としながらも「様々な経緯を踏まえて現在の状態になっている」と開き直った。

 日本の株式市場で大株主や主要取引先からの「天下り」禁止は大きなテーマになっている。リムは2021年には平和不動産、2022年には鳥居薬品に、取引先や親会社からの天下りの禁止を求める株主提案を行った。

 コーポレートガバナンスに詳しいギブンズ外国法事弁護士事務所のスティーブン・ギブンズ氏は、一般論としつつ、「大株主の企業で出世できなかった人間を『天下り』させるのは、子会社の経営効率を悪化させる。これはまさに、大株主には利益となる一方、子会社の一般株主には不利益をもたらす『利益相反』に当たる」と話す。

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 こうした議論は外国人を中心に機関投資家の賛同を得やすくなっており、松浦氏はそこに勝機を見出しているのだろう。

 5月20日にテレ東はオンライン形式で2022年3月期の決算説明会を開催した。その場では投資家、アナリストから「日経との提携による売り上げ、営業利益の比率はどれだけあるのか」「6月からの人事案では社内取締役の過半数が日経出身となるが、狙いは何か」といった質問が飛んだ。リムの株主提案を受け、日経との関係に投資家からも厳しい目が向けられている。

 リムのテレ東株の所有比率は1%台と見られる。今後の焦点は6月16日のテレビ東京HDの定時株主総会でリムの提案がどれだけの賛成票を集めるかだ。日経が3割強の株を押さえていることを考えれば、いずれかの議案で10%以上の賛成票を集められればリムとしては満足だろう。その場合は来年以降も繰り返し株主提案をつきつけ、テレ東のガバナンス改善を求めるとみられる。

現場を殺す「デジタルシフト」

 アクティビスト襲来という「外患」の前に、日経は「内憂」も抱えていた。岡田氏が進めてきたデジタル路線の行き詰まりと記者の大量離脱だ。

ジャーナリスト・小松東悟氏による「日経新聞で何が起きているのか」は、「文藝春秋」2022年7月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

文藝春秋

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日経新聞で何が起きているのか