渡辺 私は、そもそも天気が体調を左右すると考えたことがなかったので、それを感じ取っているかどうかすらわからなくて。
野宮 私はたぶん、まったく感じない派です（笑）。
www.missmakinomiya.com
佐藤 ただ、人間誰しもがそういった変化を読み取る力があるはずなんです。でも、感じる人もいれば感じない人もいる。その差って何なんだろう？ と僕も考えたんですね。それがわかれば、メカニズムがわかってくるだろうと。
そこで、感じる人と感じない人、慢性痛もなくて健康な人たちに対して、気圧を変化させる部屋に入ってもらう実験をしました。当然、天気痛を持っている人だけが調子悪くなるんです。さらに、その方々に対して、耳の後ろ側に電極を貼りわずかな電流を流してめまいを起こさせる実験をしてみると、天気痛を持っている人は、他の人たちに比べ3倍くらい敏感だとわかったんです。
だから、天気痛を持っている人は内耳がとても敏感。めまいを感じやすい、乗り物酔いをしやすい、耳鳴りがしやすい、新幹線や飛行機や高速エレベーターなんかに乗ると耳が詰まって痛い思いをする、山に登るのが嫌だなと思う、そういう人たちが多い印象です。
松本 先生、ビンゴです。私、乗り物酔いします。
佐藤 そうでしょう。
松本 目はどうですか？ 私、チラチラした光が苦手で、気持ち悪くなるんです。
佐藤 その症状は、実は片頭痛による可能性が高いものなんです。
松本 ええっ？ 頭痛持ちじゃないのに！
佐藤 実は、「頭が痛くならない頭痛」というのがあって。お子さんの中で、「お腹が痛い」と言って、朝、学校に行けない、幼稚園に行けない子たちっているでしょう。あまりにも「痛い痛い」と泣くから病院に連れて行くんだけど、何も出てこない。ただのサボり病じゃないかと言われてしまいがちですが、実は「腹部片頭痛」だったりするんです。お腹が痛くなる片頭痛があるんです。
一同 ええーっ！
佐藤 大人でもいます。頭は痛くないけど下痢を繰り返す、天気が崩れるとお腹を壊す。そういう人たちを診ていくと、実は「片頭痛」だったとわかる。ですから、日差しが強い場所を歩いていると、だんだん頭が重くなってきて、だるくなり、眠くなってきて、へとへとになってしまう、そういう人は片頭痛を疑います。
