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「結果的に人間関係が円滑になることが多い」『ソロ活女子のススメ』著者が語る、1人時間を楽しむ“意外な心構え”

朝井麻由美さんインタビュー#1

2022/08/06
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朝井 ある時大学の友だちと話していると、「私1人でもラーメン屋入るよ」って子がいて。当時の私にとっては、目からウロコでした。「ラーメン屋に1人で入っていいんだ!」って。

 本当にちょっとした出来事なんですけど、それから私も「1人ラーメン」を楽しめるようになりましたね。結局大学生の時は、近所のラーメン屋さんに行きまくっていました(笑)。

 でも、その時も「私はソロ活をしている」っていう意識はなかったです。当時はまだ“ソロ活”って言葉もなかったですしね。

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ーー「1人でラーメン屋に入るのがなんとなく怖い」のはよくわかります。「この人、友だちいないのかな」と思われるんじゃないかと……。

朝井 私もそうでした。冷静に考えると、お店の中にどんな人がいて何を食べているのか1人1人観察している人なんてほとんどいないはず、とわかるんですけどね。これまでいろんな人のソロ活の話を聞いてきましたが、「あの人1人で来てる!」と言われた経験のある人はたったの2人でした。

 たまたま自分の周りにそういう人がいないだけかもですが……。仮に言われたとしても、それで自分のしたいことを制限されてほしくないな、と思います。

ソロ活で食べたラーメン 朝井さん提供

 30歳をすぎて、今でこそいい意味で周りの目が気にならなくなってきましたけど、10代から20代前半くらいまでは、「みんなと同じでなきゃ」と必死でしたね。

ーー朝井さんもそうだったのですね。

朝井 とにかく自分に自信がなかったんですよね。「これが好き」とか「これがしたい」って個性を出して、「あの子ちょっと変わってるね」って周りから距離を置かれるのが怖かった。だったら、そんなに好みじゃなくても流行の服を着たり、本当は1人でラーメン屋に入りたくても我慢した方がいいと思っていたんです。

 特に中学や高校の頃は朝から晩までずっと同じクラスの子たちと過ごすから、「この輪から外れてしまうと3年間地獄だ……」と強迫めいた気持ちもあって。1人で過ごしたいときがあっても、仲間はずれになることが怖くてできなかったんです。