1ページ目から読む
4/5ページ目

ドラマ化で感動「内野さんから、あんなに見事な裏声が!」

麻生 それがドラマ化されて、西島秀俊さんと内野聖陽さんが生き生きと演じられて、よりリアルになりました。

よしなが 撮影現場にお邪魔するまでは、ふわふわっとした気分でいました。1話目が放送されても、まだ実感がわかないというか。じつは賢二はヤクザで、史朗は潜入捜査官で、お互いに身分を欺いて一緒に暮らしているんじゃないか、なんて思いましたよね(笑)。

麻生 (笑)。硬派な役の多い内野さんから、あんなに見事な裏声が出るとは!

ADVERTISEMENT

よしなが 泣いているときも、めそめそっていうか、べそべそっていうか、かわいくて。俳優さんも監督さんもすごくフラットで、先ほど話に出た、トマト缶を水でゆすぐ描写なんかも、西島さんがやるだけで、もう好感度しかないわけですよ。

麻生 この本の中にある世界が、よしながさんの実生活ともリンクしているんですね。ものすごくマネしたくなってきました。買い物の仕方も考え直したら、もっと時間の広がりが出るよな、と思ったりして。

『僕のいたわり飯』より

毎日毎日、面倒でも同じことができるのは幸せ

麻生 僕は毎日12時から15時くらいまで、年の離れた姉のケアに時間をとられるので、けっこう1日があっという間に過ぎていきます。主婦の忙しさや大変さを実感することもあって。楽しくやるコツってなんだと思われますか?

『僕のいたわり飯』より

よしなが 「ああ、今日も......」って思うんですけど、私の場合、ある程度は献立も決まっているから、エプロンを着けて台所に立ったら、勝手に体が動くところはありますね。あと、おなかがすいていないと料理って楽しくないので、ランチはごくごく軽くして、夕飯作りに取りかかったほうがいいかもしれない。

麻生 確かに。おなかがすいていないときにごはんを作るのって、つらいですよね。僕も基本はお昼を食べないんですが、姉のケア中に「あれ食べなさい、これ食べなさい」と言われる日もあって。一応は食べるんだけど、おなかがいっぱいの状態で自分の部屋に戻ってきて夜ごはんの準備に取りかかると、冷蔵庫を開けても何も思い浮かばなかったり。料理を作ることに気持ちが乗らないんです。おなかをすかせて料理をするって、すごく大事なことのような気がします。