困った私は「あ……胸はあります!! 胸があります!!」と話をそらすという荒業に出ましたが、この攻撃は全く効かず、「太ってます? 普通体型?」と胸のことは完全スルー。
「ふ、普通です! 細身ではないですが、普通です!と言うと、そっけなく「そうですか。あ、おいくつですか?」ときたもんだ。もう咄嗟に「28歳です」と実に5歳サバ読みました☆
そして風俗経験者かどうかという質問に対し、「完全未経験の素人です」と答え電話終了。最後に私が「明日よろしk……」あたりでガチャ切りをかまされて、「おい、電話対応ちゃんとしろ!」と突っ込みたくなりました。
いざ吉原
そして面接当日。まさかのナチュラルに寝坊。再度面接官に電話して、時間を変更してもらいました。夜中まで原稿書いてて起きられなかったんです、なんて言えない。やばい、面接から遅刻って印象悪いなぁ……となぜか受かりたい気持ち満々な私です。
ちなみにこの日の洋服はタイトな黒ワンピに水色のジャケット。いかにも胸強調した感じだと風俗未経験に見えないかな〜と思い、あえて地味に。
鶯谷に着くと、白い大きい車で送迎のおじさんが迎えに来てくれていました。にっこりとお辞儀して車に乗り込み、挨拶を終えると、彼はいきなりスピーカーで電話をかけ始めます。電話が繋がると、電話対応の悪い“ミスターガチャ切り”の声が。彼は早々に「オンナと合流した? アリかナシかどっち?」と言いました。
咄嗟に運転手は電話を切って、ブツブツと「あ、あはは。お、おかしいなぁ……なんかおかしいですよね」と言い続けていました。私はもうそれが面白すぎて笑いをこらえることができず、大爆笑。「ナシって言っても傷つかないから大丈夫ですよ」と言ったら、運転手は本当に困っていました。なんかもう既に受かる気しねぇや。
後部座席に乗りながら思いましたが、鶯谷から吉原って遠い。絶対ワンメーターで行けない距離。遅刻魔の私にとってこんなに駅から離れた職場は厳しいなぁ、働く何分前に着いたらいいんだろう、となぜかもう働く気満々の私がいました。
さらに少しして吉原神社の祭りの旗が出てきたと思ったら、ホテルと思しき建物の前におじさんが立ち並ぶ異様な空間が広がります。ついに着いた。ここが吉原か……!
店に着くと、ミスターガチャ切りが明るく迎えてくれました。私がアリかナシかわからない状態だったので、彼は私を見るまで相当不安だっただろう……と思ったらまた笑いがこみ上げてきて、こらえるのに必死でした。
建物に入るとすぐ、カラオケのドリンクバーのような場所があり、60代くらいの何の係かもよくわからないおじさんがいて、それを横目に見ながら奥の応接室に通されます。この部屋は4畳ないくらいの広さで窓がない。室内はわりと大きめのTVとソファがあって、ごちゃごちゃした空間。
早速面接シートを渡されて記入開始。シートには名前・住所などの個人情報からスリーサイズ、性感帯なんかのエロい質問もありました。