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過去にも当時の社長が秘密裏に内部調査したが…

「98年には、英国の写真専門学校卒の京大氏の入社をゴリ押ししたのですが、その京大氏は2005年に覚醒剤取締法違反で警察に逮捕され、退社しました。ところがその6年後、彼を執行役員として復帰させたのです」(京都新聞関係者)

 しかし20年、当時の京都新聞社長が、秘密裏に内部調査を開始。浩子氏に、長年にわたって法外な高額報酬が支払われていた事実を特定し、21年3月、浩子氏を相談役から解嘱した後、第三者委員会を立ち上げたのだ。

 第三者委員会は今年4月、〈浩子氏に30年余にわたって支払われた報酬など総額約19億円は違法支出にあたる〉などとする報告書を公表。京都新聞は、その内容を一面を割いて詳報しただけでなく、HD側に経営の正常化を働きかけたが、HD側の抵抗にあい頓挫した。

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「その後もHDや京都新聞の経営陣が、白石家に対する刑事告訴や株主代表訴訟など、この問題にケジメをつけてくれることを期待していたのですが、誰も何もしなかった。ならば、自分たちが立ち上がるしかないと思った」(前出・刑事告発した記者の一人)

 京都新聞は社是に、正義と自由、真実を守る――と掲げている。今回のベテラン記者たちの“捨て身”の告発を、HDと京都新聞の現経営陣はどう受け止めるのだろうか。