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 向いているかどうかの判断は「できる」ようになってからでよいのです。

 また、「技術の壁」でやってはいけないのが、「できない」と決めること。

 あるベンチャー経営者がこんなことを言っていました。

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「あるとき、社内で『◯◯はできません』と言って、できない理由を並べる人が多くなってきたんです。その人に『100億円あってもできないのか?』と聞いてみたら、『いや、100億円あったらできます』と答えるのです。

 自分で勝手にできないと決めないで、『◯◯があればできる』と言ってきてほしい。それをやるかどうかはまた経営的に判断すればよいのだから」

 それ以来、「100億円あってもできないのか?」は筆者のマジックワードになりました。

「なぜできないのか」という仮説を検証する努力より、「どうしたらできるか」という仮説を検証する努力のほうがずっと楽しいです。

「できる」と「している」の違い

 最後の大きな壁は「習慣の壁」です。

「できる」と「している」の間にある「新しいことを始めて、できるようになっても長続きしない」という状態です。

 さきほど、アシトがパス回しの練習で「ずっと鬼」を志願したシーン。

 アシトの仮説は、こうでした(12巻125話)。

「同じ『考える』でも...Aは『言語化』の次元が違うんや!このスピードは、考えてねえ!考えてやってたら、これに追いつくわけがねえ!技術云々より先に...この人達はまずそれや!考えてるけど、考えてないんや!Aは、考え抜いたものすべて、もはや『自分のもの』になっている。頭で考えるよりも先に、体が、勝手に動き出す。その衝動を信じろ!!」

©小林有吾/小学館

 この仮説を考える際、アシトの頭に浮かんだのは、かつて花(福田監督の義理の妹)から聞いた名選手の言葉。

©小林有吾/小学館

「考えて、考えて考えて——するとな、『いろんなことがいずれ考えなくてもできるようになる。そうしたら、ようやくそれが自分のものになる』って」

 さらに、福田が心のなかでアシトにこう言います。