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「税理士は相続人の口座を強制的に調べることはできないため、相続人が隠してしまえば分かりません。しかし、生命保険会社は生命保険の支払い調書を税務署に提出するため、必ずバレるのです。税務署と折衝して税務調査に入ることはなんとか免れましたが……」(岡田税理士)

相続人の妻が激怒したケースも

 もう1つ、秋山清成税理士が大阪国税局の調査官だった時、相続人となった妻が怒り心頭に発したケースもある。

 税務調査のために故人(夫)の家に行った時、遺影が見当たらなかった。遺影が1つも飾られていないのは異例だ。秋山調査官が妻に聞くと、最初は素知らぬ顔をしていた。しかし最後に、「夫は、愛人を受け取り人にして5000万円の生命保険を掛けていました。そんな夫の顔なんて見たくもありません」とぶちまけた。

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 問題はここからだった。

「夫が愛人のために掛けていた5000万円の生命保険は夫の財産に加算されるため、妻の相続税も増えたのです。妻は『そんな法律はおかしいでしょ!』と激怒しましたが、免除することはできませんでした」(秋山税理士)

 後日、5000万円を受け取っていた愛人には、特別関係人として相続税2000万円が課税された。もちろんそれでも、妻の怒りが収まることはないだろう。