文春オンライン

「ママひとすじで生きてるわけじゃない」性欲減退、死への恐怖…60歳を目前にしたヒロミ(57)が“生きてる感”を持つためにしていること《令和オジサンの生き方指南》

ヒロミさんインタビュー#2

「生涯現役を目指そう」とは思わない

――芸能界からの引退を考えることは?

ヒロミ 引退はまだわからないけど、ご苦労さんと肩を叩かれたら、「そうですね」って言うしか(笑)。「生涯現役で頑張ります」という気持ちはないですね。

――じゃあ、「還暦後はこういう路線でいこう」などのプランは?

ADVERTISEMENT

ヒロミ なんにもない、ない(笑)。テレビの世界でもっと頑張って何かやりたいとかは、もう全然ない。それは若い人がやればいいし。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――世間には元気な高齢者もいっぱいいますが。

ヒロミ だって、テレビ局が気にするコア視聴率ってね、調査対象が49歳までなんですよ。僕らが見てようが見てなかろうが、何も関係ない(笑)。

 だからここからは、「必要であれば参加します」くらいの感じで。

――意外と謙虚ですね。

ヒロミ だってね、僕らは雇われ業者だから。「まだまだ頑張ります!」「こんだけやれますよ!」と言ったところで、必要とされなければ仕事はこないのよ。だから、そんなに力を入れてもしょうがない。

――しがみつかない生き方ですね。

ヒロミ それはほら、なんとなく社会を見たというか(笑)。

 僕は芸能界を離れた時期があったでしょ。だから、芸能の仕事がなくなっても、別のことをすればいいやと思ってるところは、どこかにあります。

芸能界より一般社会のほうが大変だった

――あの時期はほとんどの人が、ヒロミさんは実業家に転身したと思っていましたね。

ヒロミ そうね。僕は若いときから「辞めるのは悪いことじゃない」という考えなので、一度芸能界から離れることにも躊躇はなかったんです。「この仕事だけしかダメ」ってことはなく、人は意外といろんなことができるもんですよ。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――当時はスポーツジムの経営などに専念されている印象でしたが、一般社会は芸能界よりも気楽でしたか。

ヒロミ いや、それは全然違って。僕は40歳くらいまで、テレビで相当ワガママやってたでしょ。で、そのあと世の中に出てみたら、一般社会のほうが本当に厳しくて、大変だなと。

関連記事