文春オンライン

「ママひとすじで生きてるわけじゃない」性欲減退、死への恐怖…60歳を目前にしたヒロミ(57)が“生きてる感”を持つためにしていること《令和オジサンの生き方指南》

ヒロミさんインタビュー#2

note

――芸能界も大変な世界じゃないですか?

ヒロミ 芸能界って、意外とルールがしっかりしてるんですよ。それはね、中にいたときは全く分からなかった。

 でも、一般社会のほうが実はルールがない。だから生きていくのは本当に大変だし、熾烈な争いがあると思いますよ。

ADVERTISEMENT

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――芸能界のほうがまともですか。

ヒロミ テレビの世界は今、正しくなってきちゃってるから。で、テレビで「そんなことはありえない、非常識」とか言われるようなことが、実際の社会では起きたりするでしょ。

 世の中の大半の人は一般社会で生きているわけだから、一般社会で揉まれたのは、いい経験をしたなと思ってます。

自殺した人に「一緒にいたら変えられたかな」と

――最近は芸能界で自殺する人のニュースも多いですが。

ヒロミ 僕でよかったらいつでも話を聞くので、何かあったら相談してほしいですよね。

 僕はね、わりと人の状況を察するほうだから、「あ、今コイツ弱ってそうだな」っていうのはわかるし、そういう人を見つけたら、声をかけてメシに誘ったりしますよ。

――そういう兄貴肌なところも、ヒロミさんは昭和世代という感じがします。

ヒロミ 俺はいばりんぼだからね(笑)。昔からそういう感じなんだよね。

 だから、亡くなった人については、何かできなかったのかなぁとは、いつも考えますよ。「一緒にいたら何か変えられたかな」とか、「悩んでたなら、俺らのところに来ればよかったのに」とかね。

 特に、世代が近かったり、知っている人だと余計にね。ただ、そのタイミングがなかったからね……。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――心に闇を入れないために、ヒロミさんは何か心がけていますか。

ヒロミ “生きてる感”を持つことが大事じゃないのかな。

 僕は、山行ったりバイク乗ったり、いろんなことして遊ぶじゃないですか。そうすると、たとえば山で「ここから落ちたら死ぬな」とか、バイクで「これ以上スピード出すと危ないな」とかね。普通の人よりも、死を意識する機会が多いかもしれない。