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アウトドアの遊びは《死》が隣にある

――確かに、アウトドアの趣味は一歩間違えると危険ですね。

ヒロミ 「危ない」「死ぬかも」ていうのがどこかにあるからこそ、“生きてる感”ていうのかな。「今日は楽しかったなぁ」とか、「生きてるなぁ」っていう実感が出てくると思うのね。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――死を意識すると生を感じる?

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ヒロミ 普通に生活してるとさ、それはもちろん生きてはいるんだけど、“生きてる感”を持ってない人が多いような気がするのね。

 で、自殺しちゃう人には、“生きてる感”はあったのかなぁ……って、ちょっと思っちゃって。“生きてる感”をもっと感じさせてあげたかったなぁ、とかね。

――生きている充実感というか。

ヒロミ 一日の終わりに「今日はなんだか楽しかったなぁ」って思えるといいじゃない? だから、できるだけ生きている実感を持って、楽しくいたいなとは思うかな。

夫婦で話す「老後と死後」

――伊代さんと老後について話し合ったりも?

ヒロミ 話しますよ。近い将来のことだから。60過ぎたらいよいよ、そういう覚悟でいないといけないかなと。

©文藝春秋 撮影/平松市聖

――60歳まであと3年です。

ヒロミ まぁ、60歳を過ぎてから何年老後があるかはわかんないけどね。上の世代が楽しそうにやっているから、まだ楽しいことはあるかなと。

 でも、うちでは自分が死んだあとの話もしてますよ。

――ヒロミさんの死後?

ヒロミ そう。まず僕が先に死ぬ前提で。ママが困らないように、一応準備とか説明はしています。

――伊代さんのほうが長生きしてほしいですか。

ヒロミ そうね。俺はママに先に死なれるより、自分が先に死んだほうがいいから。

 で、ママも俺の説明を「パパが死んだらこれをこうするのね」とか聞いてるんだけど、「私が先に死んだら」って話は一切しないから、俺が先に死ぬって思ってるんでしょうね(笑)。

 まぁでも、ママには俺が死んでも楽しく生きてほしいからね。

――愛妻家ですね。

ヒロミ いや、よく愛妻家って言われるけどね、俺は普通の男だと思いますよ。ママ以外の女性にまったく目もくれないってわけじゃないから。文春でこんなこと話すのもなんだけど(笑)。