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現実問題、信長がひとりですべての指示を出せますか?

――プレーヤーとしては、より生々しい組織経営が求められるようになったんですね。

シブサワ 史実上、勢力を一気に拡大した信長を例にとってみても、現実問題として一人のトップがすべての膨大な仕事について細々と指示を出せるはずがありません。配下の武将たちが、信長の狙い・意図をくんで、自律的に優れた仕事をしていたからこそ、「天下布武」も実行できた。こうした「信長の軍団」の特徴をゲームで再現したかったのです。

(ゲームシーンより)

――ゲームプレイ中も、武将から報告を受けて命令を下している気になります。

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シブサワ ただ、そのぶん、ゲームの調整にかなり時間がかかりました。当初は1年前に発売するつもりだったんです。

 一番苦労したのは、AIを持つ武将の取った行動が、プレーヤーに分かりづらいケースがあることです。行動が派手な武将は良いのですが、堅実な武将だと「何をしてるの?」「なぜなの?」となりやすい。かといって、個性を出そうとすると「やりすぎ」になりますし、プレーヤーが感じる程度に変化が出せないと「無個性」と思われてしまうわけで……。

(ゲームシーンより)

「堅実だけど評価されづらい武将」は戦国時代にもいる

――「堅実だけど評価されづらい武将」がいるんですね。本当に実際の社会みたいです。

シブサワ ポイントは、配下武将たちの提案や報告の頻度。ですが、これが本当に難しい。

 仮に部下の武将が50人いて、全員のものを全部受けると情報量が多すぎて、プレーヤー(上司)が追いきれなくなります。それは本末転倒なので、適当に「絞る」ことになりますが、絞りすぎると物足らないし、部下の動きがよくわからない。