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「現実問題として信長がすべての仕事に指示を出せるはずがありません」『信長の野望』の生みの親がこだわった“戦国時代のリアル”

『信長の野望・新生』シブサワ・コウさんインタビュー#1

2022/07/24

genre : エンタメ, 娯楽

note

 そして、何より気を遣ったのが、ゲームとして面白く、心地よくするため、どういう提案や報告の質が、どのタイミングで来ると良いかということ。プレーヤーが情報をスムーズに把握できる塩梅(あんばい)が重要なんです

(ゲームシーンより)

――そうやって生まれた今回の「信長の野望」。通算16本目の本作には、タイトルに「新生」の文字が入りました。どういう意味を込めたのでしょうか。

シブサワ 一つは、時代背景があります。2020年に新型コロナウイルスが感染拡大し、人類は「新しい生き方」を求められるようになりました。より不確実な社会でどう生き抜いていくのか。こうした社会的に求められるものをゲームで表現したかったのです。

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 もう一つは、シブサワ・コウの名前でゲームのプロデュースを始めて40年になることですね。「信長の野望」もAIを最大限活用して「新しく生まれ変わろう」と、そんな意欲の表れと考えていただけるとうれしいです。

「そういう部分が、戦国時代のリアリティーだと思うんです」

――配下の武将までAIで動いてくれるとなると、初心者でも彼ら彼女らに「任せっぱなし」もできそうですね(笑)。

シブサワ もちろん、今までのシリーズのようにすべてを自分でコントロールしたい方もいるでしょうから、そういう遊び方もできます。ただ、『信長の野望・新生』では部下にどんどん任せるとかなり楽しめると思いますよ。有能な羽柴秀吉が、どんどん領土を切り取ってくれます(笑)。

羽柴秀吉(豊臣秀吉)

 繰り返しますが、いかに優秀でも、信長一人の力では天下統一は成し遂げられないのです。実社会同様、部下をマネージメントして能力を発揮させて、武将の成長を追いながら、信長自身も成長していく楽しみもあります。そういう部分が、戦国時代のリアリティーだと思うんです。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

「現実問題として信長がすべての仕事に指示を出せるはずがありません」『信長の野望』の生みの親がこだわった“戦国時代のリアル”

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