たとえば、昔は信長に敗れたため評価されなかった今川義元ですが、今は新しい資料から「名君」だと評価されるようになりました。それを受けて、義元の政治の能力値も変化し、以前は70台ということもありましたが、今は90台と高くなっています。
また、「信長包囲網」を作り上げた将軍・足利義昭も外交に関するパラメーターが90台と高く設定されるようになりました。昔とはかなり違います。社会の評価に合わせて変えた……と言えると思います。
――既に約30年前の『天翔記』(1994年)で、もう女性武将が登場していますし、女性にスポットを当てるのも早かったように記憶しています。
シブサワ コーエー(当時)では、女性向けのゲームも制作していました。だから違和感がありませんでしたし、ファンから「女性を活躍させてほしい」という要望もありました。
中でもこの人を……とあげるとすると、私が好きなのは立花誾千代(立花宗茂の妻)ですね。当社のゲーム『仁王』にも登場しましたが、女武将としては一番りりしくて凛としていると思います。
後は帰蝶(濃姫)ですね。内助の功で信長の草創期に支えていたのは大切だなあと。
――内助の功という意味では、シブサワ・コウさんと同じですね(妻はコーエーテクモホールディングスの襟川恵子会長)。
シブサワ うちのカミさんは会長で、私は社長なので“部下”ですから。それに42年前、私の誕生日にパソコンをプレゼントしてくれて、これがきっかけとなってゲーム開発が始まりましたので、頭が上がらないのです(笑)。
氷川きよしが楽曲提供、大河ドラマの地図を監修…
――40年近くシリーズが続くようになり、作品を取り巻く環境は変わっていったと思います。今作では氷川きよしさんが曲を提供していますし、シブサワ・コウさん自身も、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で「3D地図監修」も担当されるようになりました。