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 足利市は、歴史・文化の町なんです。わが家の菩提寺・法玄寺(足利尊氏の六代前・義兼の正室で、北条時政の娘・北条時子の菩提を弔うために建てられた)が実家のすぐ裏にあり、遊ぶ場所でした。戦国時代と足利氏の歴史が身近にあるんですね。だから武将カードで遊ぶことに違和感はありませんでした。

武田信玄(武田晴信)

――シリーズの原点はまさに歴史にあるんですね。

シブサワ 歴史と今の技術をつなげるのも、大事な視点だと思います。実際、今、注目しているのは映像化技術で、ソニーグループもゲームの映像化に積極的に取り組むなど、ゲームと映像の世界が近くなっていますから、我々も積極的になれたらと思っています。

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 また、横浜・みなとみらいにゲームアートミュージアム(2026年完成予定)を設計中で、体験型のゲームも設置して、庭園も作り込んでいるので、新しいランドマークになればと思っています。ゲーム『三國志』のファンも泣いて喜ぶと思いますよ(笑)。

羽柴秀吉(豊臣秀吉)

「ゲームを途中でやめられないほど楽しいか」

――最後になりますが、シブサワさんがゲーム制作の上で最も大切にしている“哲学”のようなものはありますか?

シブサワ 時間を忘れてのめりこむ充実感ですね。いまでも、「信長の野望」シリーズを開発するときには、大まかな方針だけを決めたら、あとは(開発チームに)任せるようにしています。最後は自分でプレーして、頭の中で想像した以上の面白さになっているか実際に確かめるんです。

 ゲームを途中でやめられないほど楽しいか……と言い換えても良いかもしれません。そういうゲーム、作品に出会えることは本当に幸せだと思います。

シブサワ・コウ=コーエーテクモホールディングス・襟川陽一社長のペンネーム。主な代表作は「信長の野望」シリーズや「三國志」シリーズなど。大河ドラマ「真田丸」や「鎌倉殿の13人」などの3D地図監修も担当。

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