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劇場にも女性用トイレができるなど変化が

 とはいえ、現実的にはストリップ劇場の減少は止まっていない。

 2021年5月には、中国地方で唯一のストリップ劇場・広島第一劇場が閉館。2022年4月には蕨ミニ劇場で火災が発生し、休業に追い込まれている。風営法で新しく劇場を建てることはできないため、さらに数が減ってしまうのは時間の問題なのである。

 また、新しい客層が増えたとはいえ、ストリップファンの大半は中年以上の男性だ。ファンの新陳代謝が十分に行われぬまま高齢化だけが進めば、客数の減少は免れず、劇場の売り上げにも大きく影響する。だが、こういった流れに少しでも抗おうと、努力している関係者は多いという。

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楽屋でメイクをする踊り子 ©️谷口雅彦

「ある劇場は売り上げが減少して、存続が難しくなっています。そこで社長は、昼間はうどん屋を営み、夜は風俗店の送迎のアルバイトをして、踊り子さんにギャラを支払っている。『自分にはこれくらいしかできないから』と、ストイックに劇場を続けようと頑張っている。

 また、女性客にも気軽に来てもらおうと、新しく女性用トイレをつくるためにクラウドファンディングを活用して資金も集めていました。『劇場をなくしたくない』という思いは強いですね」

 そもそも「お金儲けをしたければ、関係者たちはストリップという業種を選んでいないと思う」と谷口さんは続ける。ビジネスとしての厳しい現実や、将来性を見れば“オワコン”であり、衰退産業なのかもしれない。けれど、ストリップという文化に愛情や愛着を持っているからこそ、関係者はファンや踊り子たちのために奔走し続けている。

公演を宣伝するポスター ©️谷口雅彦

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。